プロの仕事をするために必要な3つの視点

先輩や上司にいつも注意されて、職場に居づらい。
職人さんに怒鳴られてから、気まずくて現場に行くのが嫌。
お客様に厳しいクレームを頂いてから、打ち合わせが怖い。

インテリア業界に限らず、働く人の悩みの大部分って人間関係なのだそうです。
新米インテリアコーディネーターももれなく職場での人間関係で悩んでいる人が多いように見えます。
人間関係は様々なケースがありここで簡単に解決できる問題でもないですが、少しでもあなたが仕事に取り組みやすくヒントをご紹介します。

あなたは「インテリアのプロ」としてどう振る舞うべきか?

新米インテリアコーディネーターが一番しんどく感じているのは、今のあなたがいくら新人だろうが何歳だろうが何人だろうが女性だろうが男性だろうが、インテリアコーディネーターと名乗っている以上、お客様や職人さんから、あなたは「プロのインテリアコーディネーター」として見られていることではないでしょうか。
新米にとってはそれが嬉しい反面、過大なプレッシャーとなっているのが現状です。


先輩や上司も「あなたがプロのインテリアコーディネーター としてやっていけるか」という目線であなたを見ています。
職人さんや現場監督さんも「プロならこうあるべきでしょ」という目線で見ています。
お客様は・・もちろん、プロフェッショナルな存在としてあなたを見ています。


ということは、今の人間関係でつらい状態を好転していくには、あなたが「プロとして成長していくこと」が一番の近道です。

ところで、厳しいようですが、お客様や職人さんに、自分が知らなかったり経験していないことを「私は新人なんで知りません」「やったことがありませんのでわかりません」「私は見習いなので」という言葉を使っていませんか?

実はわたしも・・恥ずかしながら言っていました。
悪びれもせず「教えてもらってないからできなくて当然」「それは設計側に聞いてください」と言っていました。
ところが、この言葉を使ったときに、お客様には「なんであなたみたいな人が我が家の担当なの?すぐに別の担当者に変えてほしい」と担当を拒否され、職人さんや現場監督さんには「あなたはプロ意識が足りない」「言い訳するな」とものすごく怒られてショックを受けていました。

「知らない」「わたしには負える責任がない」ってことを素直に言っただけなのに、なんで?って。

今ならわかります。
あなたが新人とか見習いとか未経験だというあなたの事情なんて、相手にはどうでもいいことなんです。
相手は、今そこでプロのインテリアコーディネーターを名乗っているあなたに、プロの対応をしてもらいたいだけなのです。プロなのに「教えてもらってないからできません」は無いでしょう?と。
わからないなら、わからないなりにプロの対応をしてくれと思っています。


たとえば、自分が乗っている飛行機のパイロットに「新人なんで安全の保証はありません」「教えてもらってないから着地できません」って言われたら・・・困りますよね。そうか新人ならば事故にあっても仕方ないな・・にはならないでしょう?

「プロのインテリアコーディネーターはこのシチュエーションの時にどんな言葉を話し、どう振る舞うか?」
プロになりたいのなら、なかなか現場で認められないのなら、まずはこれを意識して考えてみましょう。

商品を選ぶまでが「自分の仕事」になっていないか?

新米インテリアコーディネーターは、商品やカラーを選ぶことに意識がいってしまい、お客様が決定してくれたらそれで終了と思っている人も多いですが、プロとして一番大事なことは「現場にどうやっておさめるか」です。

たとえば施工や搬入。
・ユニットバスってどうやって施工するの?
・タイルはどうやって施工するの?
・ソファはどうやって搬入して設置するの?
・照明器具がつくまでには、現場ではどんなことをするの? などなど。

現場にどうやっておさめるかまで考えて商品を選ぶのがプロです。
商品を見るときは、サイズや色、素材といったところだけでなく「どうやって現場におさめるのか」まで検討すること。
建材カタログには施工方法が載っているページもあります。また現場監督や職人さんに施工で難しい点やどうしたら仕事がしやすくなるのかという質問を投げかけてみることで、知識や意識も広がってきますよ。

プロならば、好き嫌いで仕事しない

仕事する上で、職場の人間やお客様と良好な人間関係を作ることを最重視している新米インテリアコーディネーターも多いと思います。
もちろん、敵を作るより仲良くした方がコミュニケーションも取りやすいですし、仕事のチームとしても精神衛生上いいことですので、それは大いに結構です。

でも、「仲良くしよう」「仲良くなりたい」という意識が強すぎると、「好き」「嫌い」で人間関係を計りがちになります。

「あの人にこの間文句言われたからムカつく、キライ」
「OOさんは挨拶してもこわいだから嫌だな」
「あの人いつも上から目線で言ってきてムカつく」
「私はきっと上司に嫌われている」
こういう気持ちをいったん持ってしまうと、仕事中に何かトラブルなどが起きたときに非常にやりにくくなってしまいます。


「あーあの人に謝らないと・・でもキライだから会いたくない」
「OOさんはわたしのこと嫌いだから、何を言っても認めてくれないんだ」

これ、友達関係だったら会う会わないは自由ですが、仕事ですからね。
現場をよりよくおさめていくために、皆必死に作業しています。
必死に真剣にやっているからこそ、ぶつかりあいや話し合いも生まれます。


仕事の信頼関係はお互いの仕事でしか培えないので、普段の雑談で仲よさそうに見えていても、怒られるときは怒られますし、厳しいときは厳しいことを言われることを覚悟しなければなりません。

プロとして、仕事を潤滑にやっていきたいのなら「好き」「嫌い」などの個人的感情はいったん抜くべきです。
仕事仲間との本当の信頼関係は、仕事でしか生まれないということを覚えておきましょう。


たかが仕事、されど仕事。
あなたがプロの仕事を心がけることで、プロとしての姿勢や意識を見せることで、あなたの人間関係で悩んでいることの多くは好転していける可能性があります。
大丈夫、今日から一歩ずつ、プロの意識を取り入れていきましょう。

たとえ未熟でも経験がなくても「プロのインテリアコーディネーター」らしい振る舞いや言動を心がけることは誰にでもできる!「あの人は新米だけど仕事の取り組み方はプロフェッショナルだよ」と仕事で認めてもらえることを目指してみよう。