無いと1日で詰む!在宅避難の超重要備蓄アイテム

東京都によると、2023年の23区の人口は979万人ですが、都内約4700箇所ある避難所の収容想定人数は約318万人とされています。つまり、首都圏で大規模な災害が発生した時に避難所に入れるのは人口の約30%にしかすぎず、残りの約70%の23区民は在宅での避難か23区外への避難を余儀なくされるということになります。

このため、現在東京都では都民に対して在宅避難を想定した備蓄や準備をするよう勧めています。自宅が倒壊や火災で延焼してしまわない限り、避難所にいかずに在宅避難をすることが求められています。

大災害の発災直後から行政の災害支援が本格化するのは3日と言われています。このため在宅避難では最低3日間は自助(自分で自分の身を守る)ことが基本です。

また、高層マンションは災害時の電気や水道といったライフラインがストップし、エレベーターが使えなくなる可能性が高いですが、避難所の余裕はないため極力自宅にとどまることを呼びかけています。このためマンションには7日分は自助できるボリュームで備えることが推奨されています。

食事は我慢できても排泄は我慢できない

災害の備蓄というと、食料が真っ先に思い浮かぶと思います。

もちろん、「生き延びる」ための食料は大事で、食材のローリングストックなど普段から買い物時に心がけることは日本社会でも比較的定着してきているように思います。

しかし、食事は我慢できても我慢できないのはトイレ。排泄は基本的に数日間ぶっ続けで我慢できるものではありません。しかも断水や排水管の破損で水洗トイレを数週間単位で使用することができなくなっていることを想定すると、今、都民が真っ先に準備すべきはトイレへの備えではないかと思われます。

災害用トイレは、基本的に排泄物を使い捨てのビニール袋に閉じ込め、凝固させることでトイレの汚れの溜まりや衛生環境の悪化を防ぐものとなります。

既存の便器の下にビニール袋を被せて使うタイプや、災害時用に簡易便器となる段ボールを組み立ててその下にビニール袋を被せて使うタイプなどがあります。

ものによっては小便用のみのものもあるため、購入時に確認が必要です。

非常用簡易トイレ「ポイレ」

1日5回x3日分=15個/人が最低限のトイレ備蓄目安

それでは、災害用トイレは何個くらい用意すれば良いでしょうか。必要個数については、自分が1日に何回くらいトイレに行くかを想像してみることから始まります。

多い方だとトイレ回数は1日10回くらいかもしれませんが、大体の人間は1日に5〜6回ほど行かれると思います。

最低限の在宅避難の3日間で考えてみると、1日5回x3日で一人あたり15個が最低限のトイレ装備といえます。高層マンション住民は総定数を7日分とすると35個/一人は必要となります。この数に家族の人数を掛けることで、家族分を確保することができます。

過去の大災害で必ず起きたトイレ災害から学ぶ

平時にはそんなこと想像もできないけれど災害時には確実に甚大な被害をもたらすのがトイレ問題。

過去のニュースを思い返してみても、どの避難所も断水で水が使えず、汚物があふれ使用できなくなるという悲惨な状況がありました。ということは、トイレ問題は近未来に首都で起きる災害でも必ず発生するということです。

東京は人口が多い分、過去に地方でおきたどのトイレ問題よりもすぐに深刻な事態になるのは容易に想像がつきます。しかも、避難所に収容できる想定人数を考えたら、備えがないことで非常に早期に相当深刻なトイレトラブルが起きる予感しかありません。

最優先で各自が備えておくべきものとして、まだトイレの用意がない方は、すぐに購入して備えるようにしておきましょう。

大災害時、避難所のトイレは人数分用意がないと心得よう。未来の自分を守るために、今できるのはトイレの準備から!