インテリアコーディネーター採用枠が減っている事情

たまに学生さんから「インテリアコーディネーター職を探しているが、なかなか募集がない」「どうしたらインテリアコーディネーターになれるのか?」と相談を受けます。
また、インテリアコーディネーターに憧れて転職活動をしているものの、狭き門でなかなか就職が決まらないという方も沢山います。

需要と供給のバランスを考えた時、「なりたい人は多いけれど実際に働くチャンスはあまりない」仕事の一つと言えます。今回はこの点について考えてみましょう。

インテリアコーディネーターの職域を他のスタッフが担当している現状


現場で働いている身としては、インテリアコーディネーターを正社員として雇わない工務店やハウスメーカー、設計事務所は増えてきているなあと感じたりしています。逆に正社員ではなく、契約社員や業務委託などの「ある程度経験値を積んだベテランIC」、即戦力ICの採用枠は依然として一定数あるように感じます。

そもそもインテリアコーディネーターの資格は民間資格。
国家資格と違い「資格がないから仕事をやってはいけない」という仕事ではありません。
もっと言うと、インテリアコーディネーターが本来請け負っている業務は「ぶっちゃけ、インテリアコーディネーターがいなくても成り立つ仕事」だったりします。

たとえば、内装仕様のカラー打ち合わせ。
多くの工務店やハウスメーカーでは、インテリアコーディネーターの領域と言われる業務を、設計士や住宅営業マンが行っているケースが多々あります。
照明プランやカーテンプランも、外注でメーカーに頼んでしまえばインテリアコーディネーターがいなくても問題ないとしている企業も多いです。

それに、AIによるインテリアコーディネートサービスが普通になる時代も、そう遠くないと感じています。
多くの人が気づいていないかもしれませんが、インテリアコーディネーターの業務こそAIに取って代わられる仕事であるとも言えますね。

粗利を稼ぐ営業意識が足りないインテリアコーディネーターが多い

また、多くの企業にとって大事なことは売上高、そして粗利額の向上。
インテリアコーディネーターを雇うことによって、売上が向上する、粗利が稼げる、営業面での価値を期待しています。


しかし、実際のインテリアコーディネーターの多くは「私は営業じゃない」「営業活動は苦手」という人も多く、こうなると「わざわざインテリアコーディネーターを雇わなくても、事足りる」と思われている状況があります。


インテリアコーディネーター一人雇うだけでも人件費や教育費がかかりますから、それに見合う価値、それ以上の価値をインテリアコーディネーター自身が提供できなければ、そもそも雇われないのが現実です。

「インテリアコーディネーターは企業に必要」と思ってもらえるには

インテリアコーディネーターとしての存在価値をどう見出していくのか。
「やっぱりインテリアコーディネーターは必要だね」と思ってもらえるにはどうしたらいいのか。
あなたはどう思いますか?

これからプロのインテリアコーディネーターを目指している人にも、ぜひ、それぞれが考えていただきたい問題です。
インテリアコーディネーターとして売上にどのように貢献できるか?
粗利額をアップさせるために何を意識して取り組んでいるか?

逆に言うと、就活の段階でこの点を考えて書類選考や面接に臨んでいる方は、かなり採用される確率が高いように思います。


いくら自分がインテリアコーディネーターをやりたいと思っていても、そもそも、お客様や雇ってくれるハウスメーカーなどからの「インテリアコーディネーター需要」がなければ、雇ってはくれません。
インテリアコーディネーターにも営業センスが問われていることを忘れないでください。

あなたがインテリアコーディネーターとして会社やお客様に提供できる価値は何なのか。
この仕事で仕事をしていきたい、と考えるなら、まずこの価値について考えておきたいところです。

インテリアコーディネーターにも営業力が問われていることを忘れずに!
前職で営業経験がある人は積極的にアピールしよう!!