インテリアコーディネーターの仕事は、ただでさえ門戸が狭い上に経験者が優遇されるため、新卒者や試験に合格した直後の未経験者には非常に厳しい業界です。
就職・転職雑誌を見ても、ほぼインテリアコーディネーターという職種が見当たらず、あっても「経験者のみ」「経験者優遇」とされている企業がほとんどです。
インテリアコーディネーター職は、社会での経験値と即戦力が求められる
というのは、インテリア業界はインテリアコーディネーターという接客やプロデュース的な仕事を行う人間に対してある程度の即戦力や社会経験を求める傾向にあるからです。
インテリアコーディネーターにも「新人研修」はありますが、それは新卒者が受けるような社会人の基礎となる新人研修ではなく、あくまで先輩の打ち合わせに同席したり、打ち合わせ資料の作成を手伝ったり、というより実践に近いところからの研修がほとんど。
お客様へのお茶だしや名刺交換、電話の取り方、EXCELやWORDはできて当然、ということになります。
また、お客様もより経験者を求める傾向にあります。
インテリアコーディネーターになると身に染みてわかるのですが、家やインテリアの商材はかなりの高額商品です。
お客様は、高額の商品を販売する側のインテリアコーディネーターに対して、商品知識はもちろん、ある程度業界経験を積んだプロとしての意見を求めます。また、家事や育児などの人生経験を積んだプロのアドバイスを求めています。
高額商材を買うお客様やインテリアにこだわっているお客様ほど、自分の担当者が経験を積んでいないということを嫌がります。場合によっては担当者をもっと詳しい人に変えてくれ、ということもあります。
残酷な話のようですが、高い金額の商品を買うのだから、より詳しい人に、より経験を積んだプロに自分の担当になってもらいたいというお客様の気持ちは、わからないではないですよね。
ひよこさん
わかどりさん
以上のことから、特に新卒でインテリアコーディネーター職に採用されるというのは相当高いハードルだと認識する必要があります。就職活動は思いの外厳しいことを覚悟しておきましょう。
ただ、まったくチャンスがないわけではありません。
上記の通り、社会人としての新人や未経験者には厳しい業界なので、インテリアの専門的な知識や技術を働きながら得てチャンスを待つという選択肢もあります。
即戦力になりやすいPCスキルを身につける
説明した通り、インテリア業界は即戦力重視です。
ですので、まずは即戦力になるためのスキルを身につけるべきです。
たとえば、CAD、Photoshop、IllustratorなどのPCスキルは、各社インテリアコーディネーターに求めることも多いため、これらのPCソフトの使用者や経験者は優遇される可能性が高くなります。
また、いったんCADオペレーターとして図面を制作する会社に就職して、働きながら製図のスキルを身につけてインテリアコーディネーターの就職口を探す、ということも可能です。インテリアコーディネーターの有資格者で図面に強い、製図が得意というのは、インテリアコーディネーターの就活市場では大きなアドバンテージです。
建材メーカーに就職して専門知識を磨く
インテリアコーディネーターは建築材料にも詳しくなる必要があります。
そこで、まずは建材メーカーに就職して、ショールームでの接客や見積もり業務などを経験することで建材の専門知識や業界の商習慣を学んでからインテリアコーディネーターを目指す、ということもありです。
建材メーカーとは、キッチンやUB、洗面トイレなどの水回り機器や、カーテン、照明器具、タイル材、家具、床材、建具、塗料、などたくさん存在します。
得意分野のある、詳しい分野のあるインテリアコーディネーターは、将来仕事をする上で強みになります。
また、インテリアコーディネーターの仕事は建材を扱う問屋さんとも密接な関わり合いがあります。
問屋さんに就職して、インテリアコーディネーターの仕事ぶりや仕事の流れを働きながら学ぶという方法もあります。
関連資格を取得して、専門知識を磨く
直接インテリア関連とは関係ない職種にいったん就職して、仕事の合間にインテリアの関連資格をゲットしながらインテリアコーディネーターを目指すという方法は、遠回りではありますが、可能性がないわけではありません。
ただし、資格勉強をするならば、インテリアコーディネーターとして資格手当がつきやすい「福祉住環境コーディネーター」や「キッチンスペシャリスト」のような専門知識が身に付く資格を積極的に狙うことが大事です。
ひよこさん
わかどりさん
人生は長いです。
「今」だけでなく、遠回りしてでも「将来」までのライフプランを描くことで、強みを得ながら自分の目標とする仕事にたどり着くという考え方も頭に入れておいてくださいね。