照明の色をコントロールして売上をUPする

店舗には必ずと言っていいほど照明器具があります。照明器具の意味としては、店内を明るく照らしたり商品を照らしたりといった効果がありますが、残念ながら「商品を魅力的に見せ、売上UPにつなげる」ことを意識している店舗さんは少ないのが現状です。

照明器具自体は変えることが難しくても、中の電球や照明の色を変えることは可能だったりしますので、今すぐにできる売上UPに繋げる照明のヒントをご紹介します。

売り場では美味しそうに見えたお肉を自宅の台所で見たら・・なんか変?!

よく講演会でもお話しするのですが、スーパーで美味しそうだったのでつい手に取った赤身のお肉が、いざ調理しようと自宅の台所で冷蔵庫から取り出したら、なんだか色味が変わって見えてガッカリした経験、ありませんか。
アレ?こんなお肉だったっけ・・もっと美味しそうに見えたんだけどな・・

実はこれ、照明効果による見え方の違いなんです。
おそらく、スーパーのお肉コーナーの照明の光は赤っぽいオレンジ色の光で、お家の台所の照明の光は蛍光灯の青白い光だと思います。

そう言うと、会場にいるみなさん、あっという顔をされます。きっと似たような経験をされている方は多いはずです。
何故かと言うと、日本の住宅は、蛍光灯を使われているケースが非常に多いからです。

このように、光の色が違うだけで、ものの見え方が変わります。これは、光の演色効果といい、スーパーでお肉を照らしていたオレンジ色っぽい光は、食べ物や人を雰囲気よくすてきに見せる効果があるとされています。

出典:Panasonic

ついたそがれたくなる、リラックスのあかりー電球色ー

出典:一休.com

朝日や夕陽のオレンジ色の光の中にいると、不思議と心が落ち着き、センチメンタルな気分になります。焚き火の炎のゆらぎに心が癒されるのは、このオレンジ色の光がリラックス効果を備えているから。この光に近いのが電球色(でんきゅうしょく)です。
ホテルのラウンジやバー、リラクゼーションサロンなど、リラックスする空間に似合う光です。

肌をきれいに見せ、食べ物を美味しそうに見せるあかりー温白色ー

オレンジ色の電球色から少し白っぽく明るい光になると、あたたかみや明るさが増し、優しく明るい空間になります。これが温色色(おんぱくしょく)です。この光は肌をキレイに見せたり食べ物を美味しそうに見せたりジュエリーを光り輝かせたり、と人や商品を魅力的に見せるのが得意で、カフェや生鮮食品を扱うスーパー、ジュエリーショップなどによく使われます。

近年では、スーパーの食品用に「採光色」や「専用光色」といった色も開発されてきています。

作業や勉強がはかどるあかりー昼白色ー

温白色からさらに白っぽくなると昼白色(ちゅうはくしょく)と言われ、日本人にはお馴染みの蛍光灯の色となります。少し青白いような光が特徴です。明るく清潔で強烈な光なので、文字が読みやすく作業もしやすいところから、学校や職場、薬局といったところで採用されています。

おもしろいことに、日本人の瞳の色はこげ茶や黒が多いため、このような強烈な光の中でも大してストレスにはなりませんが(むしろよく見えるから良いという人も多数)、瞳の色が薄い欧米系の人たちにはこの光は強烈にまぶしく感じるようです。

新製品や家電が性能良く見えるあかりー昼光色ー

出典:電波新聞

昼白色からさらに透明な強烈な光を昼光色(ちゅうこうしょく)は、その強烈な光からかなり刺激的で目立たせるスポットライト的に使われることが多いです。たとえば、家電量販店。新製品やハイエンドモデルの商品に昼光色をスポットライトであてることによって、その品がグレードがあがったかのようにキリリと見栄えもよく輝いて見えます。

ただ、かなり激烈な光なので、この光の中に長時間人がいると疲れてしまうことがあります。スポットライトとして使うのであれば、あくまで狙いを絞ってあてると効果的でしょう。