インテリアコーディネーターであることを名乗ると、「インテリアは感性の仕事」「インテリアコーディネーターはセンスがいい」とよく言われます。
しかし、一方で、「自分はセンスがないのでは・・」と不安に思っている新米インテリアコーディネーターも多く、一体どうしたらセンスが身につくんだろう、自分のセンスに自信がない、と悩んでいる人も少なくありません。
「センスとは何か?」を考えてみる
そもそもセンスってなんでしょう?
と聞くと、うーん、感覚?感性?感受性?という答えが多く返ってくるのですが、センスという言葉の意味を正直わかっていない人も多く、極めて主観的であいまいな答えが多いのです。
だから、センスの磨き方で悩む人が多いのではないでしょうか。
センスという言葉を辞書で引くと
1.ものごとの感じや味わいを微妙な点まで悟る働き。感覚。またそれが具体的に表現されたもの。
2.判断力。思慮。良識。
という意味が出てきます。
つまり、インテリアでいうと、その空間にいて何をどう感じるのか・・・感じ方や表現のことを指すといっても良いのかもしれません。それが心地よい表現方法であれば、センスが良い、ということにつながるのでしょう。
また、センスは「生まれながらにして持つ才能」と思っている人も少なからずいます。
たとえば「あの人はとってもセンスが良い」とされた人は、なんらかのセンスに対する感性が生まれながらに備わっているからセンスがいい、というように解釈されることもあります。
ひよこさん
わかどりさん
センスはテクニック。テクニックということは、セオリーがある。
センスとは感覚。
一般のお客様であれば、そう思っていただいて構わないと思います。
しかし、インテリアコーディネーターをしていてつくづく考えるのは「センスはテクニック」であるという点。
みなさんが「良いなあ」「すてきだな」と感じるインテリアのセンスは、必ずと言って良いほどテクニックやセオリーに裏打ちされているものだからです。
つまり、「すてきだな」と思わせるインテリアは、必ず素敵と感じさせる理由があり、セオリーがあります。
一般的なインテリアコーディネーターはそのセオリーを知っているから、テクニックを駆使してセオリーに沿った素敵な空間を作ることができるのです。
まれに生まれながらに「センスの良い」感性の方もいますが、それでも多くのセンスが良いとされる人は、幼い頃から色使いや素材のコーディネートが好きで自分なりに工夫してきたり、周囲の環境や雑誌、親や兄弟姉妹などの影響を受けた人、つまりテクニックを磨き続けてきた人であると言えます。
逆にいうと、今どんなにセンスに自信がない人でも、センスのセオリーを知りテクニックを身につければ、いわゆるセンスの良い空間表現ができるということです。
センスを磨くためにできること
それでは、どうしたらセンスが身につくのか。
どうしたらセンスアップができるのか。
センスアップに必要なことをご紹介します。
まずはあなた自身がインテリアシーンを数多く観察することから始まります。
雑誌、ネットの画像、インテリアショップ、住宅メーカーのモデルルーム・・学べるシーンは多くあります。
そして、その空間で感じること。
あなたがその空間においてどんな感情になるのか。
あなたが何を感じたのか、どう感じたのか。
「素敵」「おしゃれ」だけでなく、何がどう素敵でなにがどうおしゃれに感じたのかを言葉にしましょう。
この作業こそがあなたのプレゼンワークやセンスアップに非常に役立ちます。
センスを磨く上で大事なことは、思考です。
「何がセンスよく見せているのか」「どうして心地よい空間に見えるのか」を考えることが大事。
この思考を重ねることによって、センスのセオリーが見えてきます。また、思考を言語化することで、プレゼンにも役に立ちます。
何がセンスを良くさせているのか、センスといわれるものについて「構造」を知る必要があります。
ELLE DECORやI’m homeなどのインテリア雑誌や、建材メーカーのカタログの写真をじっくり見て、空間の構成要素を学びましょう。
誰かの真似することは抵抗があるかもしれません。しかし、セオリーを会得するには模倣は重要です。
雑誌や画像で見て学んだことをまずは真似してやってみましょう。模倣ができた上でオリジナリティを加えることをお勧めします。
真似することに慣れてきたら、次は色の組み合わせ、素材の組み合わせをアレンジしてみることが大事です。
実際やってみたらちょっと思っていたのと違った、や、こういう組み合わせはこういう空間になるんだなという経験は、実践なくして育ちません。
ひよこさん
わかどりさん
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