精進料理の基本は「三徳六味(さんとくろくみ)」

今日は、ちょっと聞き慣れない精進料理についてご紹介します。

精進料理とは、肉や魚を使用せずに作られた料理のことを指します。
仏教の教えに基づいて、動物性の材料を使わず(殺生はしない)、植物性の材料を用いた高タンパク低カロリーのヘルシーな料理です。
もともとは禅宗の修業中の僧の食事として作られており、料理もまた修業の一つとされてきました。味付けはあくまで控えめであることと、「命をいただく」という観点から材料を無駄にせず大切に使うということが特徴です。
主な食材としては、豆腐、凍豆腐、納豆、湯葉、麩、野菜、穀物があります。

 

精進料理の基本は「三徳六味」

三徳六味という聞き慣れない単語が出てきましたが、三徳とは料理中の態度のこと。また六味とは、味付けのことを指します。

<三徳>
・軽軟=軽くて柔らかい
・浄潔=清潔であること
・如法=作法やしきたりや戒律に反しない

<六味>
苦味・酸味・甘味・辛味・しょっぱい・淡味(素材の味付けを生かす味付け)

 

精進料理の心得

精進料理は作るのも食べるのも修業と捉えます。
作る方にも頂く方にも心得といった作法があります。
(あえてマナーではなく、心得としたのは、精神修養の料理であるという観点からです。)

<作る方の心得>
・食材に対する感謝の気持ちを持つ
・食べる人のことを考えて工夫して作る
・道具を大切に扱う

<頂く方の心得>
・食事ができるまでに関わってくれた人や食材に感謝
・自分がこの料理をいただくのに総強い人間かどうかを振り返る心を持つ
・空腹を満たすだけでなく心を養うものとして頂く気持ちを持つ

いかがでしたでしょうか。
精進料理は、作る側だけでなく、食べる側にも、「命をいただく」ことへの問いかけやふるまいが求められているんですね。
幼い頃「いただきます」というのは、動物や植物の命をいただいて人間が生きているからだよと祖父母に教わりましたが、精進料理の精神が日本の生活習慣の根底に流れているということがよくわかりますね。

 
 
もうすぐお彼岸の季節。この時期にご家族やご先祖の法要を行う方も多くいらっしゃると思います。
そんな法要の場でいただくことの多い精進料理。
現代の精進料理はもちろん修業ではないため、精進料理といっても肉や魚が食材として調理されるケースもありますが、本来の精進料理は質素な中にも「命をいただく」ことに向き合う上質な時間が流れていることを、ぜひ知っていただきたいと思います。