「利休七則」はおもてなしの真髄 前

日本のおもてなし道は英語の「Service」や「Hospitality」とは違って、ゲストの五感と心を満足させる究極の気遣いとして知られています。

しかし、「おもてなし」「おもてなし」というけれど、さて、おもてなしとは一体なんなのか?
今日は、千利休が唱えた茶道を極めるために説いた教え「利休七則」をご紹介します。

利休七則とは、茶道で守るべき基本的な精神と作法の七つの心得を説いたものです。
改めて学んでいくと、子供の頃や社会に出たばかりの頃、親や上司たちが口すっぱく指導してくれた言葉そのものであることに気づかされました。
もしかしたら、利休七則という言葉を知らない皆さんにも、どこかで言われた事のある言葉かもしれません。

 

利休七則

一則 茶は服のよきように点て(茶は相手の状況や気持ちを考えて点てよ)
二則 炭は湯の沸くように置き(準備は的確に誠実に行うこと)
三則 夏は涼しく冬暖かに(もてなしは相手が心地よく感じられるようにする)
四則 花は野にあるように活け(ものの表現は本質を知って簡潔に)
五則 刻限は早めに(何事も心にゆとりをもって行うこと)
六則 降らずとも雨の用意(相手のために万全の備えをせよ)
七則 相客に心せよ(何事をするにも相手のことを考えて)

 

一則 茶は服のよきように点て(茶は相手の状況や気持ちを考えて点てよ)

1018-2

服とはここでは「飲む」という意味で、「服のよきよう」とは飲む相手にとってちょうどいい湯加減や分量を指します。
ここで大事なのは、自分目線の「よきよう」ではなく、相手が望む「よきよう」であるということ。
つまり、ホスト側が喜ぶのではなくゲストが喜ぶお茶を点ててあげるのが「おもてなし」という意味です。何事をするにも常に相手の気持ち、状況を考える事が一番大事ということ。
お茶だけでなく、現代の私たちにも通じる言葉ですね。
なかなか難しいですが、そのおもてなしは自己満足になっていないか、相手の気持ちにたって考えたいものです。

 

二則 炭は湯の沸くように置き(準備は的確に誠実に行うこと)
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これは、お湯が早く沸騰するように炭を置きなさいという意味ではなく、「何事をするにも準備、段取りを的確に行う事で、相手に対して安心と信頼感を与える気遣いとなる」という意味とされています。
これは私はよくやってしまうのですが、仕事の打ち合わせに行くときに、準備が間に合わずにギリギリまで慌てて準備をしているので、なんだか落ち着かず、結局大事なものを忘れてしまったり抜けていたりという経験はありませんか。
自分はギリギリ間に合ったつもりでいても、相手にはどこかせわしなさや余裕の無さが伝わっていたりするものです。
準備、段取りは心をこめて余裕を持って行いましょう。(自分への戒めも含んでいます!)

 

三則 夏は涼しく冬暖かに(もてなしは相手が心地よく感じられるようにする)

これは普段の会話でもよく言いますよね。(私の周りだけでしょうか?)
相手が心地よく感じられるよう、快適に過ごせるように気配りをしなさいという言葉ですが、実はおもてなしに工夫や演出をすることを求めている言葉でもあります。
冬は暖房だけでなく、見た目にも暖かくなるようなしつらいを、夏は目や耳で涼しさを感じる演出をして、温度や環境を心地よく体感できるようなおもてなしをしなさいということ。
夏の風鈴の涼やかな音色や、冬の暖色の布団をつかったこたつの設置など、五感で感じるおもてなしの工夫は、実は皆さん無意識のうちにされていると思います。

 

いかがでしたでしょうか。
茶の湯の教えを無意識のうちに生活に取り入れていることもいくつかあるかと思います。
明日は後半の4則について学んでいきましょう。
「おもてなしのヒント」がきっと見つかります。