土用の丑の日に鰻を食べる謎

七月の三連休を過ぎると、そろそろスーパーやコンビニで「土用の丑の日」のチラシを目にする時期となりました。
そう、土用の丑の日といえば、鰻。チラシの中の鰻もとっても美味しそうです。

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でも、そもそも土用ってなに?
丑の日ってなに?
なぜ「うし」の日なのに牛じゃなくて鰻を食べるの?
今日はそんなお話をしていきましょう。

 

土用は季節が変わる前の調整期間

0721-2実は、土用というのは冬と春の間、春と夏の間、夏と秋の間、秋と冬の間というように、一年に4回あるのはご存知でしょうか。
つまり、二十四節気でいう四立(立夏5/5・立秋8/7・立冬11/7・立春2/4)の直前の約18日間のことを土用と言います。

土用は季節と季節の変わり目にある、次の季節へ向かうための調整期間なのですね。
特に夏の土用の時期(7/19〜8/6)というのは暑中といって・・・
ほら、皆さんピンときましたね!
この時期に送るから「暑中見舞い」なのです。ちなみに8/6以降に出す暑中見舞いは「残暑見舞い」となります。

 

12日に1度めぐってくる丑(うし)の日

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それでは、丑の日とはなんのことでしょうか。
昔の暦では、干支を年だけでなく日付にも使っていました。つまり、12日に1度は丑の日がやってくるわけです。ただ、先ほどいったように、土用の期間は約18日あるので、丑の日が2回くることもあります。そういう時は「一の丑」「二の丑」と言います。2015年の夏土用は実は2回あった年でした。
そして気になる2016年の夏土用の丑の日は、7月30日(土)一回。しかも土曜の土用の丑の日です!笑

 

当代きっての天才コピーライターが仕掛けた季節はずれのヒット商品

それでは、なぜ、夏土用の丑の日に鰻を食べるのか。
これは、江戸時代中期にさかのぼります。

天然の鰻が一番美味しいのはもともと冬。暑い夏はさっぱり売れませんでした。困った鰻屋は有名な学者であり発明家でもある平賀源内にどうしたら鰻が夏に売れるのかを相談したそうです。
平賀源内といえば「日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と名がつく天才。静電気を発生させるエレキテルという機械を作ってみたり、万歩計を開発したり、画家でもあり、日本初の博覧会を開いたりなどマルチな才能にあふれていました。
平賀源内は鰻屋に「丑の日には「う」のつく食べ物を食べると夏バテしないという風習を利用したらどうか」ともちかけ、丑の日に「本日、土用丑の日」と店先に張り紙を出させました。

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江戸っ子はこれを見て間に受けたんでしょうね。「ああなるほど、丑の日だから「う」のつく鰻を食べたら夏バテにいいのかい」と店の暖簾をくぐる江戸っ子が続出、爆発的に鰻が売れたそうです。もともと栄養価の高い鰻のことですからやがて全国的に広まり、いつしか「夏土用の丑の日は鰻を食べると夏バテしない」という夏の風物詩になっていったそうです。

現代も「チョコレートを好きな人にプレゼントする」冬の季節行事がありますよね。あれは実は、戦後に某チョコレート会社が仕掛けた商戦でもあります。
もともと関東には節分の日に恵方巻きを食べるという習慣はありませんでしたが、こちらもコンビニやスーパー各社の仕掛けたブームがここ数年定着しつつあります。
現代でいうところの「流行仕掛け人」の仕事といえますが、いつの時代にも優秀な仕掛け人はいて、こうして社会を動かしていくのですね。

 

さあ、皆さん、これで丑の日に鰻を食べる謎は解けましたでしょうか。
私は早くも丑の日まで待ちきれない思いです^^

 

ニュースによると、今年も日本国内のみならず中国をはじめとする鰻の産地から丑の日に向けて続々と日本に出荷があるようです。
ちなみに鰻の甘じょっぱいタレの味付けは実はロシアでも大人気だそうで、鰻の寿司は人気ナンバーワンだそうです。
鰻は今や季節も地域も文化も飛び越えて大ヒット商品に成長したと知ったら、さすがの平賀源内もびっくりしたことでしょうね。