海外進出の目的をまず確認しましょう

今春起業をしてから「いずれ海外進出を考えています」という方や企業に多く出会うようになりました。
しかし、具体的に進出の為に何かをしているかとなるといたって数は少なく、「なんとなく」「行きたい、住みたい」ということで海外進出を検討されている方も多いように思います。
市場の開拓、新規事業の立ち上げ、生産コストの削減、部品調達拠点設置など、海外進出の目的はいくつかあるかと思いますが、一番大事なのは、進出の目的と自社の事業戦略の中での位置付けを明確にすることです。

海外進出は長期的な視野で検討することが大前提です。今日は、海外進出の目的のチェックポイントを確認していきたいと思います。

 

海外進出を考えた時、以下をまず先に確認しておきたいのがこちら。

・なぜ、いま進出する必要があるのか?

・国内への投資ではダメな事業なのか?

・人材や資金繰りの体制は十分か?そうでない場合、対策を取っているか?

・社内の合意は得られているか?もし得られていない場合は説得材料はあるか?

・進出しないとしたらどういう選択肢があるのか?

 

これらを十分に検討した上で、「やっぱり進出」と結論が出たら、具体的な進出イメージを作っていきましょう。先に進出イメージだけが膨らんでいると、ビジネスの核となる部分が育っていきませんので注意が必要です。

 

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そして、進出という結論が出た時に、次に目的別のチェックポイントを見ていきましょう。

 

市場を開拓したい

よくあるのが、「国内市場は限界にきており、新たな市場を開拓するために現地での販売拠点の設立を検討している」という理由です。
しかし、自社の製品は、どれだけ現地で受け入れられ、ニーズとなりうるでしょうか。
外国で、一から立ち上げていくということは、時間的資金的にも多大の投資が必要です。
まずは現地企業との販売提携からはじめて、段階的に進出度合いを深めていくという方法も検討しましょう。

 

生産コストを削減したい

「安価な労働力を利用した現地生産を検討している」場合には、進出予定国の賃金上昇率を調べておきましょう。年10%以上の賃金が変動している国もあり、10年後20年後の物価高などの見通しもつけておきたいところです。
進出するからには投資を回収しなくてはいけませんが、回収終了するまで何年かかるかも調査する必要があります。

 

取引先からの要請

「大口取引先が海外に出るので、出ざるをえなくなりました」という場合は、将来的に継続的な取引が確約されている関係であるか冷静に判断しましょう。取引先にとって、安価なサービスを提供するだけの存在であるのであれば注意が必要です。

 

部品商品の調達

必要な人材、資材、原材料を安定供給できるサプライヤーやディストリビューターはいますか?
調達に見合うメリットとデメリットを見比べてみましょう。

 

新規事業立ち上げ

「国内では行き詰まっているので海外で新たな事業展開」という場合、海外で行うメリットを整理してみましょう。その事業は海外でないと立ち上がらないでしょうか?またそのビジネスは現地で行うことが可能なのでしょうか。

 

豊富な人材

日本よりも高度で豊富な人材を雇用できるケースもありますが、その分、転職率も高いのが海外。自社のビジネスに高度な能力を持つ人材を引き留めておくことができるか、現地人にとっての魅力的な仕事を供給できるかが重要な課題となります。

 

いかがでしたでしょうか。
以前はコスト削減目的での海外進出も数多くありましたが、現在は、急速な物価高や賃金の上昇で進出の見直しを迫られている企業も多いと聞きます。海外に出て「よそ者」として信頼を得て現地のマーケットとの商機を勝ち得ていくためにも、何度も慎重に検討を重ね、自社の強みをよく研究し、長期的な視野に立って進出を実現させていきましょう。

 

海外進出を考えている方、ご相談もお待ちしております。