モンマルトルの丘から平和を歌う

昨日はパリ市内を視察で回ったあと、夕焼けを見に有名なモンマルトルの丘へ。
パリを一望できる高台にあり、サクレクール寺院があったり、画家たちが集うテルトル広場という有名な広場があります。
実は今滞在しているホテルから2駅ほど離れた近い場所にあるのです。

 

きっかけは昨日の夕方。
ホテルに帰るべく大通りを歩いていたら後ろから声をかけられました。
ふりむくと、若いカップル。聞けばトルコ人のカップルとのこと。
ぎこちない英語で「たくさん画家がいる場所に行きたいんですけれど・・」と言われて、画家?あっモンマルトルのことですか?と返すと、「モンマルトル・・っていう名前なんですか?」となんとも頼りない返事。(^^;

 

ipadに入れていた地図を見ると、ちょうど、近くの交差点からモンマルトル方向にあがる坂道があったので、途中まで一緒に歩きながら道案内。
私も20年前にトルコを旅行したことや覚えているトルコ語をつかって簡単な会話をすると、心細そうにしていたカップルは「あなたに話しかけてよかった。ここまでくればもう大丈夫だから。ありがとう」と笑顔で去って行きました。

 

そうか、考えていなかったけれどサクレクール寺院に私も行ってみようかな。神楽坂の赤城神社で夕日を眺めるのが好きな私としては、サクレクール寺院でも夕日を見ようと、そのままホテルに帰ってシャワーを浴びさっぱりしてから私もモンマルトルに向かいました。

 

途中、ドイツの国旗を模した帽子をかぶったドイツ人男性数名に遭遇。
先日のEURO2016は残念だったね、と心の底から言うと、そうなんだよ、今回はドイツは絶対優勝すると思って7/10までパリに滞在予定をいれちゃってね、と悔しそうです。

そうなんです、7/10(日)はEURO2016の決勝戦。準決勝でドイツが負け、決勝はフランスvsポルトガルです。
ドイツ代表好きな私もひとしきり先日の試合のことや選手のことで会話が盛り上がり、最後は「次がんばろう!」と熱い握手を交わしその場を離れました。

 

そのうちに坂道は急になり、息切れする階段をせっせと登ると見えてきましたモンマルトル。
小さな広場は画家たちやレストランがひしめき、にぎわいの雰囲気。
観光客が行列を作って歩く道に沿っていくと、サクレ・クール寺院が見えてきました。
キリスト教はすべての人に門が開かれているため、異教徒であっても見学ができます。
そのため、イスラム圏からの来訪者も数多く見かけました。
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サクレクール寺院から南の方角に向かって大通りに出る大階段があります。
階段に腰を下ろしてパリを一望している人たちの中で、スタンダードナンバーを歌うミュージシャンがいました。
まだまだ明るい夕刻、世界中から集まってきた人たちが、パリの街並みを見下ろしながら伴奏にあわせて歌っています。一緒に手を叩いて歌い、隣の人に座る場所を譲ってあげたり、笑いあうその光景はとても平和で、思いやりに満ちていました。
相手を思いやり、違いを理解すること。お互いがよき隣人でいること。

これが平和の第一歩なのだと改めて強く思いました。

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異教徒がサクレクール寺院を訪れ、ドイツ人がサッカーの勝ち負けに嘆き、スイス人カップルがのびのびと歌っている間にも、世界のどこかで罪なき市民がテロの攻撃に怯えたり、自由に生きる権利もなくもがいていたり、いわれのない差別に泣いています。
美しい教会が夕日の中に浮かんでいる平和な景色の中、反面、今まさに苦しみ、うちひしがれている世界中の人たちを思い、どうしたらみんなが笑いあって過ごせるのか・・とじっと考えました。

 

世界は簡単に行き来できるようになり、今やインターネットでは瞬時につながれます。簡単につながれるからこそ、丁寧につながることが大事です。
丁寧に人と接する・・・ed-commonsも大切にしている心得です。
ところでサクレクール寺院の前では平和な光景であっても、フランスも強力な軍事力を持つ国の一つ。平和とは何なのか。今の段階では、ここで見た平和や秩序は、強大な軍事力があってこそ保たれる脆いものと強く心得ねばなりません。

 

夕焼けの美しいパリのサクレクール寺院の前に佇みながら、そんなことを強く思いました。