家の中にある、縄文時代からの遺産

普段生活していると、なかなか気づかないことや知らないことって多いですよね。
ed-commonsでは、そうした気付きにくいことや「へぇ、そうだったのか!」という感動を味わって頂けるようなお役に立つコラムを配信していきたいと日々配信中でございます。

 

今日は、タイトルにありますが、「家の中にある、縄文時代からの遺産」について。
ほとんどの日本の住宅に素材や形を変えて存在するものなのですが、、ぱっと思いつく方いらっしゃいますか?
そう、、、皆さんが毎日素通りされている、あそこですよ!

答えは、土間です。玄関土間とも言います。
土間は土の間と書き、伝統的な工法は土をニガリで固めた三和土(たたき)ですが、最近は、モルタルやタイルですっかり「土の間」ではなくなっていますね。でも、日本人の暮らしの中には、まだ土間文化は必要とされています。
今日は、皆さんも毎日使っている土間についてご紹介します。

 

土間とはなにか

そこで、住宅における土間の意味を改めて調べてみますと

“建物内で、床を張らずに地面を露出するか、モルタル・タイル張りなどにした所。土間床。”

だそうです。
ほとんどの住宅では、土間から一段または二段あがった高さに床のレベルがある作りになっています。昔の住宅は土間を広くとり、作業所として使ったり工具を置いたりするような場所だったといいますが、現在は土間は「玄関」の一部としての名称となり作業スペースとしての機能はなくなっているケースがほとんどかと思います。
もし仮に、土間がなくなったら、靴を脱ぎ履きするときに戸惑ってしまいますよね。
海外などではマットが敷いてあって、靴をぬいであがる場合はその上で脱いで・・、というスタイルですが、やっぱり日本人は玄関土間が欲しいもの。
家づくりの仕事をしていますが、「靴を脱ぐだけだから玄関土間は不要」とおっしゃる日本人はは見たことがありません。

 

土間の歴史

土間の歴史は、古く縄文時代に遡ります。
皆さんもご存知の、最も古い住宅として有名な竪穴式住居は、地面を円形や方形に掘って踏みかため、その中に複数の柱を建てて梁(はり)や垂木(たるき)とつなぎあわせて家の骨組みを作り、その上から土やワラで屋根をしきつめた半地下式の構造建造物です。

屋根や壁が地面に接する場所に盛り土をして、雨水が家の中に侵入することを防いだため、竪穴式住居の入口は盛り土部分で一段か二段上がっており、そこから階段を数段下がるという構造でした。

 

古来より地面を掘って踏みかためた土の空間は、江戸時代に「土間+板+畳敷」を備えた和風住宅の基本の一つの床様式として発達します。
特に農家などは土間を設けることによって公共的な外部空間と家族のプライベート空間を分ける独特な住まいを形成していきました。さらに、町家にも外部の自然を愛でたり生産をする場所、または近隣社会とのコミュニケーションをとる空間として継承されていきました。

現在の家づくりは、伝統的な三和土(たたき)工法は少なくなり、モルタルで固めた土間部分にタイルを施工したりというスタイルが主流です。
工法は変わってきましたが、それでも土間の意義は健在です。外から内部へ、内部から外への切り替えの場として、綿々と土間は日本人の暮らしに受け継がれています。