空間に入った瞬間、ほのかにたちのぼるかぐわしい香り。
瞬間、心も体も優しい気持ちになります。
香りを嗅ぐ嗅覚は五感(触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚)の一つで、人間の持つ本能でもあります。
日本には香道(こうどう)といって、禅の精神をもとにした天然香木の香りを鑑賞する独自の芸道があります。
今日は香道の香に関する10の効用を記した「香十徳(こうじゅっとく)」をご紹介します。
香十徳に見る香りの効能
香十徳は、もともと中国北宋の詩人の黄庭堅が香に関する訓や効用を記したもので、一休禅師が日本に紹介しました。
感格鬼神 感覚が研ぎ澄まされる
清淨心身 身も心も清らかにする
能除汚穢 よく穢れを取り除く
能覺睡眠 眠気を覚ます
静中成友 静けさの中に安らぎを得る
塵裏偸間 忙しいときにも心を和ませる
多而不厭 多くあっても邪魔にならない
寡而為足 少なくても十分香りを放つ
久蔵不朽 年月保存していても朽ちない
常用無障 常用しても無害
いかがでしたでしょうか。
日本香道のショッピングバッグにも香十徳が描かれていますので、気になる方はお店に足を運んでみてくださいね。