ふすまはアート!伝統的な絵柄を知りましょう

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日本建築の代表的な建具の一つにふすま(襖)があります。ほとんどの襖は引戸といって、左右にスライドして開閉するタイプであり、室内空間においては壁の役割も果たす建材のひとつでもあります。

襖は洋室のドアとは異なる構造を持っています。襖紙をはずすと枠にあたる框組があらわれ、その中を縦横の組子という骨組みが長方形または正方形状に張り巡らされています。框組の四隅には力板と呼ばれる板が、引手とよばれる開け閉めする部分の下には引手板をはめたものが襖の構造体です。

そして、これはよく驚かれるのですが、襖は構造体の上から襖紙を貼っていくため襖紙の張り替えができるのです。ですので、「襖に穴があいてしまった」「古ぼけてしまったのでみっともない」なんていう時には張り替えをおすすめします!

 

そうはいっても、襖紙は本当にたくさんありますし、意味もまたたくさんあります。
今日は、代表的な襖の絵柄をいくつかご紹介したいと思います。

 

山水(さんすい)

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出典:http://img08.shop-pro.jp/PA01032/122/product/20216848_o1.jpg?20101221201907

文字のごとく、山や川、木などの自然の描写が美しい風光明媚な絵柄です。いずれの襖柄も和室内で正座したときの目線の高さを意識した描き方で、まるでその風景の中に自分が存在しているように思わせるような工夫がされています。

 

松竹梅(しょうちくばい)
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出典:http://img08.shop-pro.jp/PA01032/122/product/30813436_o1.jpg?20110419174440

松、竹、梅という慶事・吉祥のシンボルを襖紙に全部描くというおめでたさ全開の襖柄です。
でもなぜ松竹梅はおめでたいことの象徴なのでしょうか?松は常緑(常に緑の葉をつけている)であることから不老長寿のシンボルとされています。英語でもever greenといえば、常緑や不朽を表す言葉なんですよ。竹も厳寒の時期に緑色を保ちます。梅は2月頃に開花しますが、昔は今の2月4日の立春が新年とされており、新年を迎えて一番早く咲く花としておめでたいとされてきました。いずれも寒さに耐えて新しい新年を迎える時に元気のよい植物だったのですね。

鰻屋さんに行くと、松、竹、梅と鰻重にランクの差はありますが、もともと松竹梅の中ではランクはなく平等です。松竹梅の3つがそろって吉祥に力を与えると言われていたので、伝統的な襖紙では松竹梅を全部揃えて描くことが多いようです。

襖柄では、松竹梅の力強さや壮大さを表すために、2枚組や4枚組にして1つの絵柄として描くことがあります。

 

花鳥(かちょう)
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出典:http://www.inouetatami.com/DAI-00-16.html

こちらも文字のごとく、花やつる草などの自然の風景の中に鳥が佇んでいるといういわゆるボタニカルな絵柄です。室内にいながらにして自然の様子を眺めて暮らすという、まさに自然を大切にしてきた日本人ならではの感性とアイデアの豊富さには目をみはるものがあります。
狩野一派の中でも天才画家とうたわれた狩野永徳の梅花禽鳥図(ばいかきんちょうず)のように、躍動感のある鳥や緊張感のある自然の佇まいなどを見ると襖もアートなのだなあと改めて思います。

 

 

いかがでしたでしょうか。
襖の絵柄は本当に数多くありますのでここではごく一部のご紹介ですが、日を改めて現代の家にもあう絵柄などのご紹介をしていきたいなと思っています。