2017年は古典芸能強化年

2017年は古典芸能強化年とし、今まで以上に古典芸能への理解を深めていきたいと思います。
日本の文化を深く理解して、日本人の価値観や美意識を私なりにわかりやすくお伝えすることで、日本人とは何者なのかを考えていただけるきっかけになればいいなぁと。

 

というわけで、早速、本日は毎年恒例の新春浅草歌舞伎を観劇してきました。
浅草歌舞伎は若手の歌舞伎役者が多数出演する若手のお披露目会で、市川猿之助さんがまだ亀治郎さんだった時代や中村勘九郎さんがまだ勘太郎さんだった時代にも出演していた若手登竜門のような歌舞伎座です。

本日の演目は
一、近松門左衛門作 傾城反魂香(けいせいはんごんこう)土佐将閑居の場
二、義経千本桜 吉野山

傾城とは、美人とかいい女という意味で、私の好きな女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)の作者でもある近松門左衛門の作品。もちろん劇的でスペクタクルな舞台でした。
吃音のために喋りが不自由な絵師の主人公とそんな主人公を支える妻が起こした奇跡の話で、口がうまく回らないために人生が思う様にいかない主人公が絶望に追い詰められていく姿に、思わず涙が・・。
そのあとも救いのない展開に主人公が追い詰められて自害を決意するというハラハラドキドキの展開が待ち受けているのですが、ええーーー!?という事が起き・・、涙が笑いに変わりました。

 

義経千本桜は有名な歌舞伎の演目のひとつ。
天下を取った源氏の頭領である源頼朝に追われている静御前が吉野山で義経の形見の鼓を打つと、鼓にされた狐の子供が義経の忠臣に変身して静御前の前に現れ、源平合戦の思い出を舞いとともに懐かしみます。
そこへ追っ手がそこに追いつき、狐が化けた忠臣が大勢を相手に勇ましい立ち回りの場面へ。危難が去って静御前は再び旅立つーー・・というストーリー。
悲劇のヒーロー源義経を題材にした歌舞伎演目はいくつかあるものの、昔の日本人の想像力のたくましさにはいつも驚かされます。1747年に初演されたという作品ですが、義経の形見の鼓の皮に使われた狐の子供が、親恋しさに鼓と持ち主の静御前を守って奮戦するというストーリー、よく思いつくなぁと思いますし、またなんと270年前から観客に愛されてきた息の長い演目ということにも驚きですよね。

 

そして、職業柄か、いつも舞台上の美術に見とれてしまうのですが、今回もまた素晴らしい舞台美術で圧倒されました。
舞台を作る職人さんたちが羨ましいです。いつか歌舞伎の舞台美術の方ともお話してみたい!(舞台は写真撮影ができないのが残念!)

 

そして最近は故坂東三津五郎さんの息子さんの坂東巳之助さんがお気に入りなので、巳之助さんが大活躍で満足。
いやぁ、巳之助さんは初めて見たときから花があるというか、表現が個性的で豊かなのです。
一緒に出演している二枚目の尾上松也さんや中村隼人さんは普通にかっこいいなぁと思いますが、巳之助さんは舞台俳優として自由で艶があり思わず動きに見とれてしまいます。
ちなみに、巳之助さんは三津五郎さんの跡を継いでTV朝日の「世界の街道をゆく」のナレーションを務めていらっしゃいます。

 

古典なのですが、しなやかで鮮やかで泣き笑いがあって艶があって、ちっとも古ぼけていないのが歌舞伎の魅力。
華やかな舞台に大満足の一日でした。
2017年は古典芸能強化年ですので、次回は落語に行く予定です。