「オフィス」視点で見るIFFT2019

インテリア業界における国内のメジャーな展示会、IFFT(Interiorlifestyle living2019)が先週末閉幕しました。
 
今回のIFFTのテーマは「オフィス」。
フリーアドレスやフレックスタイムなど、働き方改革はオフィスというハード面や、その空間での居心地や働きやすさといったソフト面にも変化が押し寄せてきています。
新しい爆発的な展開要素の少ないインテリア業界にしてみれば、働き方改革という追い風での「オフィス」というキーワードは住宅と違い新たな展開が見込めるポテンシャル。
インテリア業界の期待感が高まっている事を感じました。
 
 
確かに、この1〜2年で、「働き方」について世の中の動きや日本人の価値観が変わってきているように思います。
今までは「電車が動いているうちは何がなんでも這ってでも出社」という世の中の空気が当たり前でしたが、ノートPCで自宅で仕事することができるようになったり、時間差通勤を利用している人も多く見かけるようになりました。
 
そうした中で、オフィス内で定位置を設けず、どこででも仕事ができるフリーアドレス制の企業も外資系を中心に増えています。
ほとんどの日本の企業が経営者を頂点とするピラミッド型の企業構造であり、社内のスペースで定位置制を取り従来の社内の人間関係を保っている現状ではフリーアドレスワーキングスタイルはは非現実的な企業も多いとは思いますが、一方で新しい働き方、環境を整えたオフィスで企業業績や従来の人間関係がどう変化するのか興味深いところです。
 
このようにインテリア業界として提案する「新しいオフィスのあり方」を模索した展示会ですが、残念ながらまだまだ上っ面だけだなという印象。
大事なことは、ハコの変化ではなく、働く人や会社の存在そのものが何に意義やモチベーションやメリットを感じることであって、ハコと人の両輪でソフト面でもオフィスに関わる様々な人々が議論を進めていく必要があります。
結局は人が集う空間ですからね。
だから、オフィスと言われても必要なハコだけが先行している感じが拭えませんでした。
 
もっとも、ハコが用意されたら中身は後からついてくる、ということは日本の社会ではよくあることでもありますので、ハコが変わるとどう中身の人間たちが変えられていくのか、変わりたいと思うのか、興味深いです。
 
オフィスという視点で今回のIFFTを見学した時に興味深い商材がありましたので、今日はいくつかご紹介します。
 
 

埋込型ワイヤレス充電器で充電の概念をアップデートする(スガツネ工業)

モバイル社会の今、オフィス以外にもホテルやカフェなどでUSBコンセント付きテーブルが増えてきています。
が、不特定多数のユーザーが利用するため、コンセントの管理や充電ケーブルなどの貸し出しの管理も大変。
コンセントを開放したとしても、不特定ユーザーに使わせることで盗聴器をしかけられる恐れもありますし、水をかけられて感電や火災の危険もありますからね。
 
またデスクにコンセントを設けるためにはデスク天板に立ち上がりを設けたり、天板の厚みを厚くしたりという工夫が必要です。
 
スガツネのiPhone8以降で採用されているワイヤレス充電Qi(チー)に対応した埋込型ワイヤレス充電器は、デスク下に充電器を埋め込み取り付けをしているため、ケーブルの管理やコンセントの管理が不要です。
またクレジットカードなどに内蔵されているICチップへの磁気影響を及ぼしにくいFOD機能付き。
充電したいスマホをデスクの上に置くだけで充電が完了する。
これから公共の場を中心にワイヤレス式充電器も増えていくことでしょう。
 
 

抽象的なデザインで日本人の弱い発想力を高める表具のアート(GENGORO)

掛け軸や屏風、巻物といった「書画」を和紙を用いて美しく品格を保つための伝統工芸技術「表具」。
この表具の技術を独創的なアートパネルに加工した、京都の弘誠堂のブースで、「働く人たちにアートができる可能性」を感じました。
 
見る者の想像力をふくらませる、抽象的な柄。
一つとして同じデザインは無い一点もののアート作品は、すべて見る人の解釈や感性に委ねられます。
多くの日本人は抽象的なデザインのアートに対する理解が難しいと以前アートの仕事をしていて感じることがよくありましたが、こうしたなんの模様や風景かがわからない抽象的なデザインは、やはり海外の人からの反応の方が良いようです。
 
新しいオフィス、新しい働き方も含めて、これからの仕事は、従来の考えや価値観から一歩進んだ発想が求められます。
どう結果を出していくか。
どんなアイデアを出していくか。
多くの企業が新しいビジネスチャンスを掴むには今までに無い新しい視点が必要だと認識しているのにもかかわらず、なかなかアイデアやヒントが出てこないと苦戦しています。
それは、働く人たちが「こんなものだ」と思考を止めていることも理由としてありますが、未知の世界に対するイマジネーションや感性への刺激が足りないからではないでしょうか。
 
見る者に自由な発想を与える。
そんな発想力を養うオフィスにするための仕掛けとしては、こうした抽象的なモチーフやデザインは非常に有効なのでは無いかと思います。
 
 

自然の塗料で人や環境へのアプローチ(自然塗料いろは)

床や壁といった室内のエレメントには、様々な塗料が使用されています。
この化学物質を含んだ塗料が、アレルギーの原因になったり、ぜんそくの原因にも。
 
こうした環境の中で、少しでも自然の成分で人体や環境に優しい塗料を使用したい、という方向けに、室内外で使える国産の自然塗料いろはがあります。
特徴としては、
天然成分
海外の某有名自然塗料よりも発色がいい
耐候性が高く、室外でも使える
とのことです。
 
ハコをいかにおしゃれに美しく整えるか、ということで建築やインテリアは語られがちですが、忘れてはならないのは、そのハコで働く「人」だったり訪れる「人」です。
これらの人たちが使いやすかったり、体に優しい空間を整えることで、業務の効率化を助けたり、健康で前向きな思考で働くということをアプローチする時代になったのだと思います。
オフィスや店舗で「人」を重視する環境では大いに大事にしたい自然素材ですね。
 
 
 

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