クビになった話。

連休中なので、私の手痛い昔話でも。
 
 
実は、インテリア事務所をクビになったことがあります。
 
インテリアの知識や資格がなく、30歳を過ぎてアルバイトでスタートしたインテリアの仕事。
建築の知識は無く、macの操作もCADソフトの操作もほぼ初めてで、覚えることが膨大にありました。
それでも、「IC資格を取れたら正社員にしてあげる」と社長に言われたこともあり、とにかく一人前になろうと毎日終電まで必死に仕事をする毎日でした。
パソコンにとにかく慣れようと、奮発して自宅用に会社と同じmacを購入し、深夜の帰宅後も図面を描く練習。
 
 
でも、日々上司や社長に自分の仕事の遅さやできの悪さを怒られる日々。
「あなたにはこの仕事向いてないんじゃない?」とまで言われました。
好きや好奇心で入ったこの業界なのに、自分の不甲斐なさに心が折れて毎日のように帰宅後泣いていました。
 
 
結果を残せない自分に絶望し、いつの間にか萎縮している自分がいました。
怒られるのではないかと毎日ビクビク、オドオド。
低体温症になり、心も体も冷え切っていました。
 
 
そんな時。
「自分に足りないものはなんなのだろう」と考えるようになり、今の自分には知識と経験が足りないから、今できることとして知識を詰め込むことに。
土曜日の午後から仕事を抜け出して、大枚をはたいてインテリアの専門学校に通いだしました。
 
正月休みに京都に詳しい母と京都に行き、日本建築や内装を観に行くことになりました。
そこで、居心地の良い町家のレストランに衝撃を受け、居心地の良い空間を作る住宅の仕事がしたいと思うようになったんです。
 
 
休み明け、社長に「住宅の仕事をやってみたくなったので来月末で仕事を辞めさせてください。」と報告しに。
これで、この苦しい状況から辞められる・・と少しほっとしたのを覚えています。
 
 
それからしばらく経ったある日。
社長から電話があり、「今すぐ資料を六本木にタクシーで持ってきてください」と指示があり、急いでタクシーで六本木へ。
六本木の目的地に到着し、慌てて社長との待ち合わせ場所に向かいました。
そこで社長から
「あら?資料は?」と言われて目の前がまっくらに・・。
なんと慌てすぎてタクシーに資料を置いてきてしまったのでした。
 
 
クライアントに今すぐ資料を渡したいからあなたにタクシーで来るようにと言ったのにと怒られて、どうして自分はこんなにふがいないのだろう・・と絶望しました。
その時に、社長から冷たく「あなたクビね。来月末と言わず、今月で辞めてください」と宣告を受けたのでした。
 
 
私が未熟だから、インテリアの仕事で役に立っていないのはわかっています。
でも、こんな社会人一年目のような情けないミスで、クビの引導を渡されてしまったことで、自分には本当に社会人失格、存在価値なんて無いのだと思わざるを得ませんでした。
 
 
逃げるように会社を去り、しばらくは体調を治しながら惰性で学校でインテリアを学んでいる時、会社の同僚とお茶する機会がありました。
彼女は経理や労務関係の業務で、私は辞める時に起きたタクシーの事件やクビ宣告されて辛かった話をしました。
その時彼女は、驚いたように、それは違うよと言ったのです。
 
 
退職の手続きをしてくれた彼女。
社長は彼女に「自己都合で退職すると、失業手当は数ヶ月先に受給されることになり、体調が悪い中大変だと思う。会社都合で退職してもらえばすぐ受給されるから会社都合にしておいて。退職事由は今後の転職先には公表されないから」と言ったのだそうです。
 
 
えっ・・・。
 
 
彼女は私のことをじっと見ながら、
「社長はね、あなたは仕事を手を抜かずにきちんと丁寧にやってくれていたって言っていた。仕事だけでなく、洗面所の掃除や手に届かないところを熱心に掃除してくれていたから、今あなたが辞めて掃除が行き届いてないことを文句言ってたよ。あなたは頑張り屋でとても評価されていたんだよ」と。
 
 
し・・・知らなかった。
その瞬間までは、クビになったという悲しさや苦しみでいっぱいでした。
 
見ていてくれていたのか・・。
評価されていたのか・・。
心配してくれていたのか・・。
その時、不思議に、すーっと、憑き物が落ちたような気がしました。
 
 
半年後にはすっかり元気になって、インテリアの専門学校も終了し、基礎知識が身についたことでとても気持ちが楽になりました。
そして建築会社に運良く社員としてIC職に転職することができたのでした。
 
 
私がもし、「クビになった」という事実だけにずっととらわれていたら、 多分すでにこの仕事をしていなかったでしょう。
そして、インテリアの仕事に対してずっと敗北感や苦手意識を持っていたと思います。
 
 
一生懸命やっていることは必ず誰かが見ていてくれる。
一つの事象だけにとらわれない。
 
 
こうしたことを、この業界に転職して身をもって経験できたことは、私にとってかなりラッキーでした。
 
 
だから、今仕事でちっとも評価されないとか、成長しているように思えない、自信がないと落ち込んでいる新米ICさんも、今できることを精一杯やることが大事とお話ししています。
 
きっとあなたの頑張りを、誰かが見ていてくれることを忘れないでくださいね。
 
 

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