「持たざる者」の私だったからできたこと

先日、見覚えのない電話番号から着信が。
出ると、テーブルコーディネートスクールの恩師から、インテリアのお仕事の打診でした。
お仕事の依頼でとても嬉しかったのと、たくさん生徒がいる中で尊敬する恩師がよく私のことを覚えてくださったなぁという感激でいっぱいでした。
 
 
私が恩師の生徒だったのは、かれこれ10年前。
その頃、渡仏の直前に事故で大怪我を負い、大事なものや夢を失って半ばヤケになっていた時期でした。
怪我の治療や加害者との調停で実に3年以上かかり、私は「自分の夢は絶たれた。自分の人生はおしまいだ」という絶望と「もしかしたら、神様が”渡仏はやめておけ”という意味で事故を起こさせたのではないか」と見えない壁にもがいていました。
 
 
そんなとき、テーブルコーディネートのスクールに出会ったのでした。
そうか、テーブルコーディネートができたらすてきだな。
ちゃんと学んで、この道で働けるようになったら幸せかも・・・・。
 
なんていう気持ちで、スクールに通いだしたのですが、すぐさま周りの生徒と比べて「才能がない」ということに気づかされたのでした。
 
 
テーブルコーディネートを習いに来ている生徒さんは、もともとお花を習っていたり、カラーの勉強をしていたりと、すてきなテーブルコーディネートセンスの素養を身につけている人たちばかり。
それに引き換え、私はまったく未経験、無知。
素敵なプレゼンテーションをして才能を発揮している同級生ばかりで「私なんて全然ダメだ」「OOさんはいつも素敵だなあ、それに引き換え私は・・」なんて気持ちがどんどん萎縮気味に・・。
周りに比べて自分の作品はみすぼらしく、センスも才能もない劣等生だということを感じざるを得ませんでした。
 
 
周りのすてきで華やかなセンスと比べて、自分のは何がどう違うのだろう、何が足りないのだろう・・と自分なりに悩んでばかりでした。
 
 
仲良くさせてもらっていた生徒グループで一緒に帰ったある日のこと。
喫茶店で休憩しながら、一人が「私、今フラワーコーディネートのレッスンに通っててね」と話しだしたところ、「実は私も紅茶のレッスンに通ってて・・」と別の人が言い出して、飛び上がりそうになりました。
 
 
そうか。
みんな、最初から「できる人」じゃないんだ。
ここ以外でも学んだり努力してるんだ。
フラワーコーディネート、私まったく自信がないけれど、習いに行けば、もう少しマシなテーブルになるのかしら・・。
 
 
この時「足りないなら、補えばいい」ということに気づいた私は、早速フラワーコーディネートを基礎から習いに行くことにしたのでした。
 
 
 
派遣OLをしながら通っていたテーブルコーディネートスクールの2年目の夏。
派遣元の営業さんが、定例のミーティングの際に私のテーブルコーディネートの話に興味を持ってくれて、ひょんなきっかけで「インテリア事務所の応募があるから受けてみない?」と教えてくれたところから私の人生が変わり始めました。
 
 
しかも、ジャンルはテーブルコーディネートではなくてインテリアコーディネート。
どうしていいかわからず、すぐにテーブルコーディネートの恩師に電話をかけて、事情を説明し、応募するにあたり何をどう準備すればいいかアドバイスを求めました。
ちょうど恩師は出張で新幹線に乗る間際だったらしく、「あとで掛け直すから!」とおっしゃっていただき、未知への不安と期待でおろおろしていた私を適切なアドバイスで励ましてくれたのでした。
 
 
それが、私のインテリアコーディネーターとしての最初の第一歩です。
 
 
恩師のサポートで奇跡的にインテリアコーディネーターとして働けることになってからも、最初の数年は「私にはセンスがない、才能がない」「他のできる人と何が違うのだろう・・・」と、もがいて悩んでばかりいました。
そりゃあそうです、なにせやったことがないのですから。
知識もなければ技術もない。当然センスもありません。
今でも毎日怒られて冷や汗ばかりかいてた頃のことをよく思い出します。
 
 
でも、今だからわかります。
今こうして私がインテリアコーディネーターとして独立してそれなりにお仕事をいただいているのは、あの頃「持たざる者だったから」なんです。
 
 
才能がなかったから、センスがなかったから、技術がなかったから・・・・足していったんです。
技術が足りない、と思ったら、専門学校に通って会社帰りや休みの日に勉強しました。
知識が足りない、と思ったら、休みの日に新幹線に乗ってメーカーの地方の工場まで見学に行きました。
センスが足りない、と思ったら、社長に休みを直談判してシンガポールのインテリア展示会「メゾンエオブジェアジア」に足を運びました(会社で行っていいよと言ってくださり、設計室で行くことになりました!)。
その積み重ねが、0が1になり、2になり、・・・「今」につながっているんです。
 
 
それもこれも、他の誰よりも、私ができの悪い「持たざる者」だったから。
もし、私が最初から誰かより秀でている何かがあったら、「私はできるかも」「私にはセンスがある」「才能がある」と慢心して、必死に食らいついて学ぼうという姿勢はなかったと思います。
 
 
 
先日、久しぶりに恩師からの電話が鳴ったあと、ぼんやりと考えていました。
数百人を超える恩師の生徒にはお弟子さんや、私よりももっと才能がある方や優れたインテリアコーディネーターがたくさんいるのに、なぜ私に電話をしてくれたのだろう。。と。
 
 
 
ひとつ、思い当たったのが、「持たざる者」だった私が、愚直に1つ1つを積み重ねていったことを応援してくださったからということ。
持ってなかったから足していったその姿勢を買ってくださったのだ、信頼してくださったのだと、今更ながら気づき。
見守ってくださったことに改めて涙がこぼれそうになりました。
 
尊敬する恩師の生徒であったことを今でも誇りに思っていますし、恩師の生徒だからこそ、これからも努力を積み上げていけると思っています。
 
 
 
だからね。
あなたが今、「持たざる者」だったとしても、大丈夫なんです。
0から1、1から2・・・と足していければ。
大切なことは「持っていない」「足りない」を自覚した時に、愚直に努力できるかどうか。
そして、あなたのその努力や奮闘を、みてくださっている人が必ずいることを忘れないで。
 
 
 
持っていないから諦めるのか。
持っていないから足していくのか。
「持たざる者」の人の今後を決めるのは、コレです。
そして、どうするかを決めるのは、あなた自身です。
 
今「持たざる者」で悩んでいる方は、覚えておいてくださいね。
 
 
 
 

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