レイチェル・クーから学ぶ、起業家スピリット

先日、イギリスの人気料理人でフードライターのレイチェル・クー(Rachel Khoo)の新作レシピ本発売に合わせて、出版イベントが母校で開催されました。
なんと10倍の倍率の中、ラッキーなことに当選しまして、仕事を調整して行くことに。
 
 
「パリの小さなアパルトマンの一室にある、数名しかお客様が入れない小さなレストラン」というコンセプトで、明るく快活なレイチェルが実に楽しそうに料理を作っていく、おしゃれでかわいい料理番組「レイチェルのパリの小さなキッチン」。
イギリスのBBCが放映し、今や世界160カ国でも放映されている大人気料理番組です。
たまたま今年初めに再放送で初めてみたのですが、すぐにキュートで楽しいレイチェルの魅力のとりことなりました。
 
 
両腕を伸ばしたら両壁にぶつかってしまうような小さなキッチンスペースの中で、でもレイチェルの趣味がひかるようなタイルを壁に貼ったりとかわいらしいキッチンなのです。
 
また私がなるほど〜!と思ったのが、パリのアパルトマンのキッチンって、大抵電磁調理器のコンロなので火力が弱いのですが、レイチェルはアウトドア用のガスコンロをテーブルの上にセットして、下にオーブン(電気だと思いますが)を置いて自分なりにキッチンをカスタマイズしている点。
コンロで火を使うときはさりげなくマッチをすります。
その感じがとっても素朴で、そして、火を大切に使ってるんだなっていう感じで。
初めて番組をみたとき、思わずアウトドア用のガスコンロをネットで検索してしまいました。

 
 
出版イベントは、レイチェルが考案した新作レシピを、会場でもあるラブラッスリーが再現し、ビュッフェスタイルで全メニューをいただくほか、レイチェルの実演クッキングショー、そしてレイチェルのトークライブの3部構成。
レイチェルが登場した時から会場はアイドルのライブのような「きゃー!」「レイチェルー!」とものすごい熱気に・・。
レイチェルが歓声に驚いて慌てて引っ込むというキュートな笑いをとっていました。
 
 
料理はラブラッスリーのスタッフ総出でがんばってくださったようで、サーブに時間はかかったものの、とても美味しくいただくことができました。

そして何より一番心に響いたのは、イベント終盤のレイチェルのトークライブ。
レイチェルが世界的な料理人としてブレイクするまでの軌跡やその時レイチェルが感じていたことをレイチェルはジョークも交えつつ赤裸々に話してくれました。
 
 
確かに、私たちは、「すでに有名になってTVに出ているレイチェル」を知っているわけで、そんなレイチェルの出発点を知りません。
レイチェルもいわば自分でチャンスをつかんだ起業家ですもんね。
だからとても興味を持って聞くことができました。
 
 
レイチェルがフードライターになろうとおもった最初のきっかけは、アルバイト。
イギリスのショッピングセンターで料理の実演販売を行うアシスタントをやった時に、こういう料理を作って紹介する仕事をやりたいなと思ったのだそうです。
レイチェルは当時大学でデザインとアートを専攻していたので、その時点では料理のプロではまったくなかったんですね。
 
自分がやりたいことを叶えるために、レイチェルはフランスのパリの有名な料理学校コルドンブルーに行くことを決めます。
しかし、コルドンブルーは一流の料理人を輩出する名門校だけあって費用がかなり高額。
そこからレイチェルは、昼も夜もやれる仕事はなんでもやり、しゃかりきに学費をためたのだそうです。
 
 
ようやくお金がたまってコルドンブルーに留学するため渡仏。
パリは物価も高いため、イギリス人とフランス人カップルのお家に住み込みで家事やベビーシッターなどをしながら学校に通う日々が始まりました。
フランス語もわからない、料理も本格的に習ったことのないレイチェルには大変なチャレンジだったと思いますが、デパートのコムサデモードの香水売り場でバイトし、接客を通して生のフランス語会話を身につけていったそうです。
たくましいなぁ。
 
 
そして、フードライターになりたい!という夢も着実にステップアップしていきました。
住み込みのお宅の奥様が偶然出版社に勤めていて、ある時料理本のイベントで料理のアシスタントを探していたそうでレイチェルは飛びついたそうです。
そこで出版関係の方に名刺を配りまくり、自分をPR。
こういうことがしたい、ということを何度も何度も言い続けて、料理の本を2冊出版することができました。
 
 
ところで、料理は、材料費が高くつきます。
レシピを研究開発するにもお金がかかります。
そこでレイチェルは、自宅のアパルトマンにてお客様用の席を設け、新作の料理を食べて品評してくれる人を募集することに。
 
すでにコルドンブルーを卒業した一人前の料理人ですからね。
普通のレストランとは違って、新作レシピやコースを作っては提供。
このスタイルがおもしろい、おいしいと、予約が予約を呼び、それが「レイチェルのパリの小さなキッチン」の原型になったそうです。
 
 
レイチェルはある時、この小さなキッチンレストランをTVの料理番組として作れないかなと思い立ったそうで、そこから10社ほどのTV局に売り込みに行ったものの、ほとんどが「そんな番組おもしろくない」「あなたは歳をとりすぎている」となかなか苦戦したそう。
 
ところが1社だけ「つくってみましょう」と撮影に応じてくれたそうです。
その映像をBBCに売り込んだところ、それが「レイチェルのパリの小さなキッチン」のシリーズ化につながったとのことでした。そこからのレイチェルの快進撃はみなさんご存知の通りです。
 
 
 
ここまできくと、ただのレイチェルのサクセスストーリー。
でも、レイチェルは、ここまで来るのに、常に否定的なことを言われ、批判され、時には悲しく悔しい思いもしたと言います。
有名になったら有名になったで、世界が変わり、また人気を維持するのも並大抵なことではありません。
 
しかしレイチェルは
「リスクの高い方をチャレンジする」
「誰かが自分に対して否定的なことを言ってきても、自分で決めた道をひたすら突き進む」
「常に私らしく、正直でいる」(お母さんからのアドバイス)
ことを常に心がけたと言っていました。
 
 
目の前で明るく話すレイチェルが、ただかわいらしいレイチェルではなく、勇気と好奇心で自分の道を切り拓いてきたかっこいいレイチェルだということがわかり、まさかそんな話が聞けるとは思っていなかったので、私も心が震える思いでした。
 
私も、よし、リスクをとってチャレンジしようと思えただけでも、大きな収穫。
帰りに、「やっぱりリスクをとってチャレンジすべきだよねっ」と勢いで母校でフランス語の試験の出願をしたことはここだけの話ですけれど・・
 
 
リスクの高い方をチャレンジする。
自分で決めた道をひたすら突き進む。
常に私らしく、正直でいる。
 
 
そっか。
今までもレイチェルが大好きだったけれど、これからは起業の先輩としてリスペクトの気持ちでいっぱいです。
とてもすてきな時間、すてきな出会いをかみしめることができた週末でした。