「ありがとう」に一番近い仕事を探す

今月で、独立起業してから3年目に突入しました。
 
私の場合は、インテリアの道に転職した時に「いずれインテリアで独立起業しよう」と思っていたため、実は起業を考え出したのはもっと前、2010年あたり。当時はまったくのど素人でした。
できるだけ多くの知識を吸収することや現場での経験を積むことを自分に課し、残業で帰りの終バスを逃してトボトボ駅まで歩いて帰った時も「今は苦しくても、これは独立するための修行だと思えばなんでもない」と言い聞かせて帰ったことも、今はいい思い出です。
 
「独立できる」「独立してもやっていける」と確信をもてるまで修行時間にあてたため、もしかしたら普通の起業家よりも準備期間が長い方ではないかと思います。
だから、未経験でも好きなことでぱんっと起業できる人は、私には無い行動力や勇気がある人なんだなあと思います。
 
 
そんな私のもとにも、たまに起業を考えている人たちから相談がきます。
そのなかで驚いたのは
「起業をしたいけど、何で起業したらいいか迷っている」
「起業するなら”好きなことで起業しろ”とアドバイスされたが、「好き」が見つからない」
というお悩み。
 
よく話をきいてみると、どちらも「好きなことで起業」の「好き」に注目しているんですよね。
「あれも好き、これも好き」という好きなものは絞れない、とか、そもそも好きなことってなんだろう・・という「好きの呪縛」にとらわれているようでした。
 
 
 
好きの呪縛といえば、インテリアの打ち合わせで必ず気をつけていることがあります。
 
 
家づくりのインテリアの仕様打ち合わせの時に、私がお客様に言うこと。
それは「好き、ではなく「理由」のある家を作ろう」ということです。
 
なぜかというと、家づくりの中で決めた壁紙クロスや床材というのは、たいてい完成してから何十年も毎日使います。
自分でテイストをしっかり持っている方なら好きなもので良いのですが、たとえば、5歳前後のお子さんが「ピンクが好き」といって、アクセントクロスをピンクにしたとします。
だけど、それは5歳当時のお子さんの感覚であって、しかも「好き」ってとってもあいまい。
10年後、ピンクじゃなくてブルーが一番好きな色になる可能性があります。
「ママ〜、なんでこの壁ピンクなの?ブルーがよかったのに」
と言われたらどうします?
「だって、家を建てたときは、あなた自分でピンクが好きと言ったんだから、我慢しなさい」
となりますよね。
好きで決めたのに、好きが変わったら、我慢することになるわけです。
(だから、色は好き嫌いではなく理由をつけてという話はしますが、その話はまた今度)
 
 
好きがブレない人だったら、好きで決めても良いかもしれません。
でもね。好きって、個人の主観ですから。
大抵長い年月で価値観が少しずつ変化していく人が多いのです。
好きって変化するものだから、変化することを前提に「今の好き」を探してもいいのかもしれません。
 
 
 
でもそれでも好きが何かを見つけられない人や、好きが多すぎて決められない人もいます。
 
そういう人には、私は無理に好きを探さなくてもいい、それよりあなたが「できる」「得意な」仕事で人から「ありがとう」を言われやすい仕事を探した方がいいとお伝えするようにしています。
 
 
かくいう私も、実は事務職から転職しようと思ったきっかけは
「「ありがとう」と言われる仕事がしたい」
「自分が誰かの役に立てる仕事がしたい」
でした。
事務職をやっていたとき、仕事は嫌いではなかったのですが、一生懸命やっていても、この仕事は誰のためにやっているのだろうと虚しく思うことがありました。
自分がやらなくても別の人がやれる作業だから、自分がやる意味とか価値が見出せませんでした。
 
 
そこで、誰かの役に立てる仕事ってなんだろう、から自分探しがスタートし、たまたま行き着いたのがインテリアの仕事でした。
今はインテリアの仕事で心底満足していますし、修行して「できる」レベルまで到達したから「好き」を公言できるのかもしれません。
 
 
 
 
長くなりましたが、「自分の好き」が見つけられない人は、自分が「誰かの役にたつ仕事」は何かの視点も探してみてください。
好きはきっと変化するので、誰かの役にたつ仕事でありがとうを言われているうちに好きになっていくという方法もありだと思いますよ。