四明荘

住所:長崎県島原市新町2丁目
定休日 : 無休
営業時間 09:00-18:00
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先日、講演会で島原に行った時、主催者のご厚意により終了後にちょっとした観光案内へ。
滞在時間が短く、趣味の古民家めぐりが今回はできそうにないなぁ・・と諦めていただけに、この四明荘に連れて行っていただけて非常に感動しました。
湧水城下町というだけあって小さな堀に豊富な水量が流れていますが、中心地の堀には無数のカラフルな鯉が泳ぎ、さながら鯉の街。思わずわぁっと感動の声をあげてしまいました。
四明荘は、島原城に近い一角にあり、なんと2つの湧き水からなる池の上に建てられた瀟洒な別邸。お茶室の下は丸々と肥えた鯉がゆうゆうと泳ぎ回っています。
池を愛でる茶室庭園で美味しいお茶をいただきながら、しばし風情を味わいました。
 
 
島原市は海沿いの街なのに、真水が街のいたるところで湧き、井戸も多く不思議だなあと思っていたんです。
その謎を四明荘の名物女将さんが解説してくださいました。
1792年に普賢岳の噴火が起き、噴火に伴う地震の影響か、隣の眉山が山崩れを起こして大量の土砂が島原を飲み込み有明海へと一気になだれこむという大惨事が起きたそうです。
しかも山崩れの土砂の勢いは対岸側の熊本に巨大な津波となり襲いかかり、当時島原熊本ともに多くの犠牲者を出しました。
島原大変肥後迷惑といわれる大きな自然災害により、溶岩や土砂により雲仙岳周辺の地下水脈が水路を変え、結果的に島原市に多くの清水をもたらしたとのこと。そのため、湧き水は海水ではなく雲仙岳の地下水脈からの恵みの水なのだそうです。まさに奇跡ですね。
 
 
この四明荘は、その災害後に建てられた別荘で、当時は四方の眺望がすばらしく、有明海を正面に湧水の池を愛でるというなんとも贅沢な日本家屋。池の中に大きな石を沈め、その上に建てられているので、建物が水につかることもなく心地よい風が吹き抜けていきます。茶室の2面は池にせり出しているかのように見え、まるで池の中に浮かんでいるかのような浮遊感を味わえます。水の上の建物なので、かびたり腐ったりしないですかと訪ねたのですが、通風もよく先の熊本地震でも建物の被害はなかったそうです。
また、湧き水は一定の温度を保っているため、外気に影響されることはありません。なので夏は涼しく冬は暖かという環境なのでこの茶室庭園もクーラーいらずで過ごしやすいとのことでした。
昔の人の建築技術や感性には本当に驚かされます。
 
 
ただ、鯉たちは一定の水温とはいえ、少し水温が低いらしく、大きく立派に成長していましたが意外と短命とのことでした。
短い一生を懸命に生きている鯉たちをしばし見守りつつ時が流れていきました。
連れて来ていただけて、本当によかった。いい時を過ごせました。感謝。