憧れのバトン

インテリアの道にすすむきっかけになったのは、幼馴染のママ。
幼稚園の同級生のママは、一級建築士で今でいうバリキャリ。
当時私の母は専業主婦だったので、我が家で放課後は私の幼馴染とそのお姉ちゃんを預かることになった。
みんなで夕飯を食べ終わった頃にママが子供たちをピックアップしにくるまでは、我が家はみんなで遊んだり笑ったりイタズラしたりと騒がしい巣窟だった。
 
 
小学校にあがると同時に、商社マンだったパパの転勤で、幼馴染たちは数年間海外へ。
たまに帰国したときにママが作ってくれるほうれん草のカレーが美味しくて・・
美人のママはいつだって笑顔で優しくてすてきだった。
 
 
小学校5年の時、実家を建て替えることに。
幼馴染の一家はその頃に帰国していて、ママは、我が家の設計をしてくれた。
大人になったらママみたいに建築士になりたいなと言ってみたところ、両親は「算数が苦手な子には建築士の仕事なんて無理無理」といい、算数が大嫌いな私は建築士は即諦めた。
それでも、算数が苦手でもできそうな仕事ってある?と母に聞いたら
「インテリアコーディネーターなら建築士より算数いらないんじゃない?」と。
それが、すべてのはじまり。
 
 
時は流れ、幼馴染たちが我が家に遊びに来ることもなくなり。
成長するにつれ、紆余曲折があって、インテリアコーディネーターを目指そうと勉強をはじめたのは30歳を過ぎてから。
 
 
先日、ママの実家前をたまたま通りがかったときに、懐かしいママに遭遇。
仕事柄、ママと周りのスタッフが現地調査に来ていることに気づいた。
忙しそうにしてたので、電話番号だけ交換。
そしたら後日ママから電話が。
「今度の土曜日に子供達が久しぶりに実家に遊びに来るので、あなたも来ない?」って。
 
 
「うわぁ〜、残念、その夜は打ち合わせがあって・・・」
と言うと、今どんな仕事をしているの?って聞かれて
恥ずかしかったけれど、正直に答えた。
 
 
「私ね、子供の頃からずっとママに憧れててね、私も建築の仕事がしたくて。
インテリア事務所やハウスメーカーで仕事した後、インテリアの仕事で独立したの。
それでね、今度フランスでもインテリアの仕事をしたくて日本で種まきしてるんだよ。」
 
 
ママはびっくり!笑
 
 
「えっえっえっ、建築?インテリア? まぁ・・・そうだったの。
なにか一緒にやれたらいいわね!
あなたが英語ができることは知っているけれど、フランス語も一から勉強してるの?えー!すごいじゃない!?」
 
  
自分の気持ちを言うのってなんだか照れちゃうけれど、
電話を切ったあと、涙が止まらなかった。
憧れてたなんて言われてママも驚いただろうけれど、言えてよかった。
喜んでくれたらいいのだけど。
 
  
我が家の姪も、大人になったら私のように家を作る人になりたいって言ってくれたこともあって、私がママみたいになりたいと憧れてたこととおんなじ。
憧れのバトン。
ママがきいたらきっと喜ぶだろうか。
今度ママに会える時が、とっても楽しみです。