和室の天井を見上げると部屋のクオリティがわかる

普段、室内にいるとなかなか気づかないのが和室の天井。
お客様と和室の打ち合わせをしていると、「あー!これは和室っぽいですね〜」と思い出される方もいらっしゃいますが、普段はなかなか気にしていませんよね。
 
今日は、代表的な和室の天井についてお伝えしていきたいと思います。
 
 

目透かし(めすかし)天井

beeb546ae8deb83b23efdfa6ba3738b5_s
現代の一般住宅の和室で非常に多く採用されている、シンプルな天井です。シンプルな木目柄は、洋室でも使うことができます。材料は杉であることが多く、木目や材質によってランクは多岐にわたります。
 
 
よく見ると、板と板の間に隙間のようなラインが入っているかと思います。板と板の間に少し隙間をあけて貼る工法のため、隙間がデザインのように見えます。
 
 

竿縁(さおぶち)天井


日本の伝統的な天井です。実家の客間などで見覚えのある方もたくさんいらっしゃるのでは。
竿縁と呼ばれる棒状の木材と、竿縁のラインとは直角の方向に流れる天井板の、木目の見た目が美しく通気性に富む天井スタイルです。
 
 
ちなみに、竿縁のラインは、部屋の長手(一辺が長い方)方向と平行してかけるのが一般的です。6畳部屋なら竿縁は5本、8畳部屋なら7本と決まっています。
そして、竿縁は床の間対してに直角ではなく平行してかけるようにします。
なぜかというと、伝統的な床の間というのは通常東向きに設置されているので、日が差し込んできた時に竿縁が影になり、天井板に影が映り込みます。そうなると天井板が美しく見えないのです。
もう一つは、畳の敷き方とも関係があります。これについては、畳の機会に詳しくお伝えしましょう。
 
 
つまり、床の間や竿縁天井のある昔ながらの伝統的な和室では、室内にいながらにしておおよその方角がわかります。
 
 

格(ごう)天井


竿縁よりもやや太い格縁(ごうぶち)と呼ばれる角材を、格子状に組んで鏡板を張った天井のことをいいます。
 
 
竿縁天井は、竿縁のラインは平行だけでしたが、格天井の場合は碁盤の目状に角材が組まれています。これは格調の高い天井とよばれ、城や寺院の天井でよく見かけます。中には碁盤の目のマスの中に彫刻や絵画などが施されていたりして、贅を尽くした一級品の格天井もあります。
 
 

網代(あじろ)天井


出典:http://www.kirakuan.com/photo/sugimasakagomeajirosekou.jpg
サワラやスギ、竹などの薄く削いだ板を網代に編んだものを張った天井のことです。
 
 
編み方によってデザインが異なるので、非常にオリジナル感があり個性が出ます。床の間の天井や茶室の天井に使われた贅沢な天井ですが、幾何学的な模様は現代的な和室にも非常によく合います。
壁クロスでも網代に天然素材を編んだデザインのものが大手メーカーから発売されていますので、予算に合わせてそうした素材も取り入れていくとすてきな天井に仕上がりますよ。

 
 

よしず天井

DSC6749
天井の下地板に葦を編んで作った簾(すだれ)状のよしずを張り、直径40mmほどの角材でおさえた天井です。涼やかな自然素材な印象の強い天井で、茶室などで多く見かけます。

出典:http://www.sugiuchi-kennsetsu.co.jp/works/木天井

 
 

普段あまり天井を見上げることはないかと思いますが、和室の良さは、隅々にまで趣向を凝らし通気性などを意識した作りになっているところだと思っています。

また、「見えないところにお金をかける」昔の粋や品格も感じられるのが和室の天井です。
昔のいい職人さんは、普段人が見ないような細部をとても丁寧に仕上げました。
つまり、和室の天井を見れば、その部屋のクオリティがわかるというもの。
和室の見方の一つの参考になれば幸いです。