焼き魚・煮魚の盛り付け方

先日、東京に住むアメリカ人の友人からこんな質問をいただきました。
 
「日本人の彼氏のお父さんとお母さんを自宅に招いて食事をしたの。その時に鯛の煮付けを出したらお母さんに「魚の向きが逆よ」って笑われてしまって。どうして和食では魚の頭は左側に来るの?」
 
料理が得意な彼女。きっとがんばって煮付けを作ったでしょうに、笑われてショックだったようです。
言われてみると、そういえば、スーパーや魚やさんでも魚って頭が左側にありますよね。
お店で食べる煮魚や焼き魚は頭が左に来ているけど・・
でもどうして?というところですね。
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さて。
日本人の皆さんは、「どうして魚の頭は左側に来るの?」の答えはわかりますでしょうか?
 
 
きっと日本人でも答えられない方は沢山いらっしゃいますね。
それどころか、あれ?左だったっけ・・と思う方も結構いらっしゃいます。
友人には「多くの日本人も同じように答えを知らないのよ」と慰めておきました。
 
 
実は、魚の盛り付けにはルールがあるのです。
 

姿焼きの魚は左頭、腹手前が鉄則

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結論から言うと、1尾ものの魚は、焼き魚でも煮魚でも必ず頭を左側、腹を手前に盛り付けるのが決まりです。
 
なぜかというと、日本人の箸の持ち方に関係があります。
 
昔の日本人は、箸を右手で持つようしつけられていました。
私も実は左利きなのですが、幼い頃右手で特訓されて右で持っております。
今は左手で箸を持たれる方もいらっしゃいますが、仏教などの宗教的価値観から
-左手は不浄の手(東南アジアなどの地域では未だに左手はトイレで用を足す時に使います)
-右手は仏の手
とされていることもあり、食べものを扱う時には右手を使うような価値観が育ったようです。
 
 
ちなみに、仏教国タイで握手をするときやお金を受け渡しする際には、上記の理由から右手を使いましょう。
 
 
そして、左頭は食べやすさにもつながっています。
右手で箸を持ち、魚の身をほぐすとき、料理の右側から箸をいれますよね。
その際に魚の身に沿って箸をいれると、左側に頭があると魚の身にそって箸をいれることになるため、ほぐしやすいのです。
また、右手で箸を持ち、左手で食べない頭を押さえて身をほぐすといった動作にも便利です。
 
また、姿焼きの場合、上から見た時に魚の尻尾をやや右上りに斜めに盛ると、魚の躍動感が引き立ちます。
 
大根おろしやつま、酢ばすやはじかみを盛り付ける際には、魚の右手前、尻尾の前部分に盛り付けましょう。
こうすることで、見た目も美しく、魚も食べやすくなります。
 
 

切り身の魚は身を手前、皮が奥にくるように

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次は切り身の魚の場合です。
片側の面が皮で、もう片面が身の場合は、皮の美しさを見せたいものを除き、ほぼ身を手前側に盛り付けます。
魚は長い角皿に盛ることが多いですが、器の対角線上に魚を盛り付けるとバランスがよくなります。
大根おろしなど添え物がある場合は、姿焼きと同様に魚の右手前に盛り付けるのがルールです。
 
 

いかがでしたでしょうか。
和食の盛り付けって、実は、食べる人に対して
ー見た目で味わってもらう
ーきれいに食べてもらえる
工夫がされているんです。昔の人って工夫の嵐ですよね。すごいなぁ。
 
 
また、理由を知ると、あれ?どっちだっけ・・が減るのではないでしょうか。
理由がわかれば、迷わずに済みます。
今日から早速試してみてくださいね。