おもてなしってなんだろう

みなさんこんにちは。和の空間コーディネーターed-commons小林です。
暮らしに和のエッセンスを取り入れたいみなさんに和の空間づくりをご紹介しています。
 
お客様をお迎えする上で重要なキーワード「おもてなし」。
でも実際、おもてなしって何なのでしょう?
今日は、おもてなしについて説明してきたいと思います。
 
 

おもてなしの語源

0515-1おもてなしとは、丁寧語の「お」+「もてなす」という言葉の組み合わせです。
では「もてなす」の意味を調べてみますと・・
とりなし、くつろう、たしなみ、振る舞い、挙動、態度、馳走・・という意味になります。
簡単に言うとおもてなしとは、「大切な人へ気遣いや心配りをする」ことなのですね。
 
さらに、おもてなしには「裏表のないさま」という意味もあります。
 
つまり、「うわべだけでなく、心から、大切な人へ気遣いや心配りをする」ことがおもてなしの本当の意味といえます。
 
 

おもてなしとサービスの違い

「心から」このおもてなしの定義、実は海外では非常に珍しいのです。
 
例えば、おもてなしの行為に近い言葉とされるのがサービス(service)。「仕える、奉仕する」という意味です。サービスはもともとラテン語で奴隷を意味するセルヴィタス(servitus)から派生しています。
召使い(servant)、奴隷(slave)もサービスと同じ言葉から派生しています。
もともと主従という立場が明確な言葉で、例えばお客様が主とすると主に食べ物やサービスを提供する方が従となります。
主従が明確であれば、いつでもどこでも誰にでも発生する行為で、サービスを提供する側に対価が発生します。
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このサービスという概念は、大きく分けると人が何かの行為を提供するサービス、モノを提供するサービス、お金に関するサービスの3つに分かれます。日本のおもてなしに一番近いのは人が何かの行為を提供する「接客」ですね。
 
こうしてみると、おもてなしとサービスって大きく違いますね。
 
 

おもてなしとホスピタリティの違い

もう一つ、おもてなしに非常に近い言葉がホスピタリティ(hospitality)。辞書を引くと歓待するとか手厚くもてなすとあります。
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こちらの語源も「客人を保護する」という意味のラテン語のホスピクス(hospics)から来ていて、皆さんご存知の病院(hospital)もホスピクスが語源です。
ホスピタリィは先ほどのサービスとは違い、主従関係ではなく客人と主という関係の中で発生する「この人のために、この場所のために、この時のために」ふるまわれる自発的な行為がホスピタリティとされています。
 
 
もっとわかりやすく言うと、レストランでウェイターがお客様のタイミングを見計らって水を提供したり料理を持ってきたことはサービスです。
このサービスに対して海外ではチップといってお金を払います。
それに対してホスピタリティは、ご予約のお客様が本日誕生日と知り、お店が特別なデザートをプレゼントしたりお花をプレゼントしたりすることです。
お客様に喜んでいただく個別の特別なサービスで、対価は求めないはからいの事を指します。
 
 
おもてなしとホスピタリティは主客対等な立場で人を喜ばせる点では非常に似ていますが、大きく違うのはおもてなしが「もてなす側の心のあり方」がテーマとして存在することです。
どう喜ばせるかが日本のおもてなしでは重要です。
 
 
日本のおもてなしの中で特徴的なのは「五感と心で相手に感動を与える」ことです。
五感とは、目で見て、耳で聴いて、鼻で嗅いで、口で味わって、手で触れるという身体感覚を指しますが、五感をフルに活用してお客様に「この時、この場所、この人だけ」の行為を心をこめて行うことがおもてなしの極意とされています。
 
 
–いらっしゃるお客様のために庭で咲いていた花を玄関に生け、リラックスできる香を焚き、落ち着いておしゃべりを楽しめるような音楽をかけ、腕によりをかけた特製のお料理をこしらえて、質の良いスリッパや一番いい椅子を用意して我が家にいるかのような居心地の良さを演出する−・・。
 
すべて「我が家での滞在を喜んでもらおう、満足してもらおう」と思っているからできることですよね。
 
 
皆さん、当たり前だと思うでしょう?もちろん、日本以外でもおもてなしをしている人は大勢います。
しかし、この行為を単語として持っているのは日本だけですし、「五感をフル活用で感動させよう、喜んでもらおう」という取り組みを当たり前と思い実行できるのは日本の文化であり、すばらしい価値観なのです。

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いかがでしたでしょうか。
 
おもてなしの意味を知って、よりすてきなおもてなしが上手にできるようになるといいですね。