「どうやってインテリア業界のトレンドをキャッチすればいいの?」
「そもそもインテリアコーディネーターって、どんな商材を扱う仕事なの?」
「インテリアコーディネーターってどうやって商材の勉強をしているの?」
そんなふうに思っているあなたへ。
私もかつて、インテリア業界に入ったばかりの頃は同じように思っていました。
そしてインテリアの専門学校に通っていた時に「これは勉強になる・・!」と思ったのが見本市・展示会の授業でした。まさに「目からウロコ」の体験。
これからインテリアの仕事に飛び込む前に、まずは「インテリアの仕事」について知り、商材に触れておくことは非常に大事。
今回は、新米インテリアコーディネーターやこれからインテリアコーディネーターを目指そうと思っている方が商材や「インテリアの仕事」そのものに少し触れることができる場、インテリア見本市や展示会についてご紹介します。
見本市や展示会というのは、特定のジャンルに関係する企業やサービスが一堂に会する商業イベントです。
インテリアの仕事というのは基本的に「販売」であるため、販売する対象・・家具であったり、建材であったり、家電であったりといった「モノ・コト」が一度に見られる貴重な機会になります。
私が特に新米インテリアコーディネーターの方に見本市・展示会をお勧めする理由をご紹介します。
見本市や展示会に出展する企業の出展目的の一つに「新製品や新サービスの反応を確かめる」ということがあります。まだ世に出ていない商品をインテリア関係者に見せることで、デザインのブラッシュアップをしたり意見や評価を集めているのです。
だからこそ、見本市や展示会は新製品や新アイデアの宝庫。私も見本市・展示会には毎年通っていますが、既存の商品が改良された商品や、まったく見たことのない素材のデザインをチェックしています。貴重な情報収集の場として活用させてもらっています。
皆さんはインテリアの情報収集にSNSを多用していると思います。しかし、画面からは伝わらない質感や仕上げの感触など、実物を手にとって触れてみたり、使ってみたりができるのが見本市・展示会の大きなメリット。
第三者のお施主様に商品を提案する際に「これは使い勝手がいいですよ」「触り心地のよい生地です」「実際持つと軽いんです」と見た目以上の情報を持っているのがプロ。見本市・展示会に行ったら、触れる商品は手にとって体験しましょう。
これからインテリアコーディネーターとして働く際にぜひ覚えておいて欲しいのが「いかに提案に有効な情報を沢山持っているか」です。有効な情報が多ければ、あなたの提案はお施主様に適切な選択肢を与えることができます。
提案に有効な情報、つまり「建材や商品にどれだけ詳しいか」です。
ただ、インテリアコーディネーターは、膨大な商品の詳細をすべて把握することが難しいので、仕事をする上で重要なのは「商品知識が豊富なメーカー担当者と繋がること」だと私は考えています。自分はある程度商品の知識があるけれど、商品の細かいおさまりや施工について詳しいメーカー担当者と繋がることは、あなたにとって非常に優秀なサポーターを得ることと一緒です。
見本市・展示会では、ブースにいるメーカー担当者とできるだけ挨拶しましょう。いずれあなたの仕事を助けてくれる人たちです。
インテリアコーディネーターの仕事の基本は「販売」なので、商品やサービスを「どこから仕入れることができるか(どこで購入できるのか)」という情報はプロとして非常に大事です。見本市・展示会に出展している企業のほとんどが販路開拓を目的としているため、販売に関する質問は喜んで答えてくれます。
またそうした情報から、気に入った商材を扱っている企業の採用情報をのぞいてみたり、就職活動の突破口になったりもします。商品やサービスをみたり、実際に働いている人とお話しすることができるのも見本市・展示会のいいところです。
これはインテリアコーディネーターあるあるの話なのですが、日々の膨大な作業や打ち合わせに追われてしまい、行きたいなと思っていた見本市や展示会をキャンセルせざるを得ない状況がしばしばあります。
「本当は行きたいんだけど、行く時間がない・・」というのが多くのインテリアコーディネーターの本音。
また、私は会社員時代、勤めていた企業が展示会会場から遠かったため、半日〜一日空き時間を作らないと物理的に行けないという状況がしばしば発生していました。
大都市圏でもそうなのですから、地方にいらっしゃる方だったら勤めている会社が「行ってこい」と言わない限りはそもそも「行く」選択肢が生まれません。
だから実際にインテリアコーディネーターになる前に、行くことをおすすめします。
インテリアコーディネーターになってから「行けなかった」となった時、行ける時に行けばよかったと後悔する前に。
2025年に開催がある国内の主なインテリア見本市・展示会をご紹介します。
まだ見本市・展示会に行ったことがない方、インテリアの仕事の現場を知るためにもぜひ行ってみてください。
建築・建材展(東京都東京ビッグサイト)
2025年3月4日(火)ー3月7日(金)
建材のトレンドがよくわかる見本市。家づくりに関わる最新の建材や設備機器のほかにも業務改善のソフトウェアや工法、関連サービスなどインテリアコーディネーターも勉強になる建築の見本市です。
同時開催のJAPAN SHOPでは、街と店のための空間デザイン・ディスプレー、サイン、グラフィックス、内外装材、店舗設備・什器、空間演出機器など、商空間を彩る最新の製品・サービスを紹介。店舗よりのインテリアコーディネーターやデザイナー必見。
IFFT / インテリアライフスタイル(東京都東京ビッグサイト)
2025年6月18日(水)ー20日(金)
家具、照明、テキスタイル、マテリアル、テーブルウエア、服飾雑貨、生活雑貨などデザイン性の高い国内外のブランドが一堂に集結し、ホームユース、リノベーション、オフィス、ホテルに向けた高品質な商材を探しに多くの小売バイヤーやコントラクト関係者が来場します。
旭川デザインウィーク(北海道旭川市)
2025年6月21日(土)ー6月29日(日)開催
北海道旭川市で開催されるイベント。もともとは日本を代表する家具メーカー各社の家具見本市でしたが、現在は家具のみならず、街づくり、自然、人・・多彩なテーマで町ぐるみの大規模なデザインイベントです。夏の旭川も楽しめるとあって毎年駆けつけるインテリアコーディネーターのファン多し。
飛騨の家具フェスティバル(岐阜県高山市)
2025年7月2日(水)ー7月6日(日)開催
飛騨木工連合会が主催の家具フェスティバル。メイン会場は飛騨・世界生活文化センターの他、各家具メーカーが会場です。トークショーあり、木曽のフードありの一般客も楽しめる家具の祭典。
建築・建材展大阪(大阪府インテックス大阪)
2025年7月10日(木)ー7月11日(金)
東京で毎年3月に開催される建築・建材展が2025年から関西でも初開催。大阪・関西万博でインバウンド需要が拡大している関西エリア、住宅・店舗・ビル用の各種建材や設備機器など東京はまた違ったにぎわいの見本市が誕生するかもしれません。
同時開催のJAPAN SHOP大阪では、街と店のための空間デザイン・ディスプレー、サイン、グラフィックス、内外装材、店舗設備・什器、空間演出機器など、商空間を彩る最新の製品・サービスを紹介。店舗よりのインテリアコーディネーターやデザイナー必見。
東京インターナショナルギフトショー(LIFE×DESIGN)(東京都東京ビッグサイト)
2025年9月3日(水)ー9月5日(金)
東京インターナショナルギフトショーの同時開催でインテリアに特化したLIVING & DESIGNとLIFE × DESIGNが開催されます。工事をともなう空間演出を行うLIVING&DESIGNと、暮らし方から住まいをデザインしてきたリノベーションとものづくりの見本市LIFE×DESIGN。インテリアコーディネーターが施工よりの情報が得られる貴重な国際見本市。
JAPANTEX2025(東京都東京ビッグサイト)
2025年11月19日(水)ー11月25日(金)開催
昨年は39,000人が訪れた日本最大級のインテリア国際見本市。ウィンドートリートメント、フロアカバリング、ウォールカバリングなどのインテリアファブリックスを中心に、新製品の発表の場として、家具や雑貨などのメーカーや店舗が出展します。最新のトレンドを発信する歴史ある展示会。ジャパンホームショーも同時開催。
次回公開の有料コラムでは、さらに詳しく、IC目線での見本市・展示会の有効活用のためのノウハウをご紹介します。インテリアのプロとして見本市・展示会を有効活用したい方、ご期待ください。
見本市・展示会に行く前には必ず来場事前登録を済ませましょう。国内のインテリア見本市・展示会は事前登録をしておくことで無料で入場ができます。(ちなみに海外の有名見本市は入場は有料ですので、ご注意を!)